日本財団 図書館


高速回転アークセンサとは電極ワイヤ先端を高速に回転させる溶接方法であり、この回転運動により溶融池の状態変化を2次元的に捉えることができ、より多くの溶融池情報を取得できるメリットがある。また、溶接方法や溶接線倣い方法の選定の章でも述べたように高速回転アークは高速溶接方法かつ高精度検出の特徴を有するものである。

 

153-1.gif

 

(b) 検出原理

開先ギャップの変動から溶融池の形状変化を生じることとなり、その形状変化に伴い、高速回転アークセンサからの出力であるトーチ電圧波形にも変化が現れることとなる。図3.3に開先ギャップが大きくなった場合のトーチ電圧波形の変化を示す。図中のVTrefとは基準となる開先ギャップ(Gref)における適切な溶接条件の状態で出力されるトーチ電圧波形であり、この溶接条件のまま開先ギャップが大きくなった場合のトーチ電圧波形をVTで示す。ここで横軸は高速回転アークの回転位置を示している。

卜一チ電圧波形の変化量(図中の斜線部の面積:△SG)を求めることにより開先ギャップの変化量(△G)を検出することになる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION