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最大20度の溶接線傾斜および最大4?までの開先ギャップの変動に対して、同一の溶接条件で対応することは極めて困難であり、電流や速度などの溶接パラメータを上記変動に対して適正に制御する必要がある。そこで溶接線傾斜角度と開先ギャップの組合せ毎に最適溶接条件の選定を行った。実験により得られた溶接電流および溶接速度の最適値を図1.11に示すが、溶接線傾斜角度および開先ギャップの増加に対して溶接条件を低電流・低速側に制御する必要がある。前後傾斜、左右傾斜および開先ギャップ別のビード形状を図1.12に示すが、適用範囲において良好な溶接結果が得られている。

 

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次に水平隅肉溶接における部材取付角度の影響を調査した結果を図1.13に示す。溶接条件は既出の図1.12で示す取付角度90度での選定溶接条件と同一とし、狭角側(70,80度)のみトーチ角度を部材取付角度の1/2としている。図に見るように部材取付角度が90±20度の範囲では、標準取付角度と同一条件で良好な溶接結果が得られており、後述するアークセンサによる溶接線自動ならいにも影響は認められなかった。したがって、取付角度が90±20度の範囲では溶接条件を変更しない方式とした。

なお、溶接条件データベースの構成も基本的には図と同様に前後傾斜は(0,5,10,20度)の4水準、左右傾斜は(-20,-10,0,10,20度)の5水準、開先ギャップは(0,1,2,3,4?)の5水準の組合せで構成されており、各水準間の溶接条件は各パラメータの補間演算で対応している。また、詳細は後述するが溶接線傾斜角度データはCAD/CAMシステムから直接ロボットプログラムに教示され、また開先ギャップの変動はアークセンサ方式により溶接中リアルタイムに検出する方式としている。

 

 

 

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