(b) 溶接条件の適応制御方式の選択
レーザセンサによる開先ギャップの検出位置は溶接トーチの前方であるため、溶接台車がセンサ・トーチ間距離分走行すると溶接トーチが上記検出位置に到達することになる。したがって、本システムでは、レーザセンサによる検出ギャップを記憶しておき、溶接台車がセンサ・トーチ間距離分だけ走行した時にその開先ギャップに応じた溶接条件を出力する方式を採用している。いわゆる「記憶&遅延再生式」のギャップ適応制御である。
図3.9に開先ギャップ変動に対する溶接条件適応制御の概要を示す。
実際の溶接では、溶接条件の急変や検出ノイズの影響を緩和するために、溶接トーチ位置を中心に前後約10?の範囲でギャップの平均値を計算し、これに対応する溶接条件を出力している。なお、レーザセンサによるギャップの検出分解能は0.1?ピッチであるが、平均化処理は0.01?の精度で演算しており、溶接条件の演算もギャップ0.01?の分解能で行っている。