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3. 開先ギャップ変化対応方法の選定と設計

 

曲がりブロックは曲面部材で構成されるため平行部のブロックと比較して、溶接継手の精度は著しく低下する。突合せ継手の精度不良の主たる項目を図3.1に示す。当社の場合、開先は曲げ加工の前にNC制御で切断しているため開先角度は安定しており、目違いもギャップに比べて矯正は容易である。実際の施工において最も矯正が困難で溶接を行う上で問題となるのが開先ギャップである。平行ブロックに対して曲がりブロックの溶接自動化が遅れている原因は、この開先精度不良と溶接線の傾斜による溶接姿勢の変化である。本項では、曲がりブロック溶接自動化を図る上で重要なブレイクスルー技術となる開先ギャップの変動に対応する方法について説明する。

 

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実際の曲がりブロックの板継工程における開先ギャップは、アンケートによれば最大3〜5?である。例えば板厚19mmの場合、ギャップゼロの標準開先に対して開先断面積はギャップ3?の場合は約1.34倍、5?の場合は約1.57倍に増加する。したがって、開先ギャップの変動量に応じてワイヤ溶着量(溶接速度やワイヤ送給速度等の溶接条件)を適切に制御しなければ良好な溶接が行われないことは明らかである。したがって、曲がりブロックの板継溶接を自動化するためには、前項で述べた溶接線倣い制御機能以外に開先ギャップの変動を認識する目(センサ)とそれに応じて溶接条件を適正に制御する知能(溶接条件の適応制御機能)が必要となる。

(a) ギャップ検出方法の選択

開先ギャップを溶接中リアルタイムに検出する方法について、まず文献調査を行い下記の4通りの方法を選定し、センサメーカヘのヒアリングや簡単な性能確認テストにより比較検討を行った。

(A) CCDカメラによる画像処理

(B) スリットレーサによる画像処理(光切断法)

 

 

 

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