また、トーチの揺動の右半周期と左半周期で溶接電流またはアーク電圧を比較すれば、溶接トーチの開先幅方向の位置ズレを検出することができる。図2.3にアークセンサによる開先ならい(X軸倣い)の原理を示す。(a)図に示すように、溶接トーチの狙い位置(揺動中心)が開先中心にある場合は溶接電流およびアーク電圧波形は揺動中心位置に対して左右対称となるが、例えば(b)図に示すようにトーチの狙い位置が右側にずれた場合は揺動の右半周期において、溶接電流は増加しアーク電圧は減少する。したがって、揺動の右側と左側で溶接電流またはアーク電圧が等しくなるように溶接トーチの位置を修正すれば、溶接トーチの狙い位置を常に開先中心に制御することができる。