したがって、本溶接施工では通常の開先部でも仮付ビード部でも均一で安定した裏ビードが形成されることが要求される。そこで、まず同一溶接条件において仮付けビード部と仮付けが無い部分との裏ビード形状を比較した。図1.10に裏ビード形状に及ぼす仮付けビードの影響を、水平および上進傾斜10度・20度の各姿勢において調査した結果を示す。写真に示すように、いずれの溶接姿勢においても仮付けビードの有無による裏ビード外観に有意差は認められず、均一な裏ビードが得られている。
一般的に仮付けビード部では裏ビードが出にくい傾向にあるが、実験によれば実用的には仮付ビード部で溶接条件を変更する必要性は特に認められない。しかし、本システムでは仮付ビードの有無を、後述するレーザセンサによる開先形状検出システムにより検出できるので、仮付ビード部において溶接条件が変更可能な仕様としている。