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(d) 開先内仮付溶接対応方法の設定

従来の片面溶接法ではギャップゼロの継手に対応できないため、開先に6mm程度のギャップを設けており、継手の拘束はストロングバックと呼ばれる治具を用いていた。このような方法に対して、本溶接施工法では開先内に直接仮付け溶接を行うことにより継手を拘束する。開先内仮付け溶接の方法を図1.9に示す。仮付け溶接ワイヤは、1.2mmソリッドワイヤ、仮付けビードの高さは5mm以下とした。

 

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したがって、本溶接施工では通常の開先部でも仮付ビード部でも均一で安定した裏ビードが形成されることが要求される。そこで、まず同一溶接条件において仮付けビード部と仮付けが無い部分との裏ビード形状を比較した。図1.10に裏ビード形状に及ぼす仮付けビードの影響を、水平および上進傾斜10度・20度の各姿勢において調査した結果を示す。写真に示すように、いずれの溶接姿勢においても仮付けビードの有無による裏ビード外観に有意差は認められず、均一な裏ビードが得られている。

一般的に仮付けビード部では裏ビードが出にくい傾向にあるが、実験によれば実用的には仮付ビード部で溶接条件を変更する必要性は特に認められない。しかし、本システムでは仮付ビードの有無を、後述するレーザセンサによる開先形状検出システムにより検出できるので、仮付ビード部において溶接条件が変更可能な仕様としている。

 

 

 

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