5) EARL Pisciculture du Dourduff社(Plougoulm)
同社は4)のS.C.E.A SALMAS PISCICULTURE社の近くで、SEDIA社の養殖管理システムを設置している。養殖用水は、同じ川の下流の水を使用しており、上流の養殖場では、規準に沿った排水を行い、月に一回は県知事に排水分析結果を報告することになっているので問題は起こっていない。
同社の養殖従事者は1人であるが、同じ地区の同業者間で協力して管理を実施しいるので順調に事業を行っている。同社の生産量は170ton/年である。
写真11にEARL Pisciculture du Dourduff社のトラウト養殖場の全景を、写真12にトラウトの自動計量搬送機の外観を示す。
2.3 イタリア
イタリアでは、陸上養殖でウナギとスズキ、ヒラメ等の養殖場を経営している施設の設備や管理システムを中心に調査を行った。
イタリアでは養殖管理システムを製作しているSinergia社のMaurizio氏に案内して頂いた。
1) BIOITTICA ESTENSE S.R.L.(Padova)
同社は、アルプスから流れるイタリア最大のポー川の河口にあるPadova市にある。養殖水槽は、露天のコンクリート製水槽(長さ約30m、幅約5m)約20基と冬期用のビニール温室の水槽でウナギを育成している。
養殖用水は地下水を汲み上げてウナギの循環式陸上養殖を行っている。また、敷地内には液体酸素タンクがあり、各水槽には直径約1mのお椀型の酸素供給装置が設置されている。ウナギの養殖密度は約50kg/m2で、冬期の水温は温室で23℃に保ち、ほとんど加熱していない。餌は、昔ながらのイワシ練り餌を使用していた。同社のウナギ養殖の従事者は2人で、生産量は150ton/年である。
写真13にBIOITTICA ESTBNSE S.R.L.社のウナギ養殖場の全景を示す。
2) ALLEVAMENTO ITTIC0(Pontelangorino)
同社は、イタリア最大の川であるポ一川の上流約50kmにあり、屋内水槽で循環式陸上養殖を行っている。ウナギの養殖密度は50kg/m2で、冬期の水温を23℃に保っている。
同社は、ウナギの養殖池設備、生産量は200ton/年である、養殖従事者は1人である。
写真14にPANITTICA PUGLIESE社の養殖設備建屋の全景を、写真15にウナギ養殖水槽の一部を示す。