3) ITTICAUGENTO SPA(Torre Mozza Ugento)
同社の養殖施設は、Brindisi市から海岸沿いを東に約100kmのTorre Mozza Ugentoという荒涼とした海岸から約1kmの台地にある。この養殖施設は国所有の養殖研究施設を同社が買い上げて循環式陸上養殖設備を建設したものである。養殖管理はSinergia社のコンピュータ管理システムが導入されていた。養殖している魚種は、シマダイ、スズキ、ボラ等のふ化および初期・中間育成までを行い、同国の養殖業者に販売している。
同社の生産量は500ton/年である。ふ化は室内で行い、育成は屋外の露天の養殖水槽で行う。給餌は自動給餌機で各養殖水槽に約500mの距離をパイプ移送している。
養殖従事者は15人で、事務所はコンピューター室、分析室等に分かれ、最新の設備が完備している。また、非常用発電機が備えられ、停電時や非常時の電力バックアップを行っている
今回、たまたま訪問したその日は低気圧が通過したため、雷雨が発生して停電になりシステムが停止したため、担当者はバックアップ電源の確保のため混乱していたが、約1時間後にすべての設備は正常になった。
写真16にITTICAUGENTO SPA社のシマダイ養殖水槽の全景を、写真17に自動給餌切換器の外観を示す。
4) PANITTICA PUGLIESE社(Torre Canne di Fasano)
同社はイタリア ブリストルの海岸から約100mの場所に、循環式陸上養殖設備を3年前に建設した。養殖水槽は、コンクリート製の長方形水槽20基設置し、Sinergiaのコンピュータ管理システムでシマダイ、ヒラメ、スズキの稚魚の生産を行っている。
稚魚の生産量は約1,800万匹/年、成魚で約240ton/年に生産が可能である。
養殖用水は地下からポンプで海水を汲み上げ行っている。水温は約19℃でほぼ一定している。地下からの海水には病原菌が無く養殖には適している。
飼育水槽は屋根付きで、42m2が52基、240m2が14基、500m2が15基設置している。屋外には、養殖用水浄化設備、液体酸素供給タンク等が設置されている。
養殖従事者は冬60人、夏25人、常駐20人で、事務所にはコンピュータールーム、分析室等が完備し、液体酸素が搭載されている稚魚輸送用の専用トラックが用意されている。
写真18にPANITTICA PUGLIESE社の養殖設備の全景を示す。
以上