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給餌装置、クレーンその他 200万円

合計 6,000万円

平均耐用期間を7年とすると、年間の減価償却額は約860万円(86円/kg)となる。

(2)海外での陸上養殖の設備投資例

イ)デンマークのDIAT社(3-5-2表参照)の話

ウナギを年200トン生産するための設備投資額は300万USドル(125円/$として37,500万円)、ヨーロッパヒラメ200トン生産の場合では、400万USドル(約50,000万円)となる。

7年償却とした場合、ウナギでは5,360万円/年(生産量当り268円/?)、ヨーロッパヒラメでは7,140万円/年(生産量当り357円/kg)となる。

ロ)オランダのHESY社のヨーロッパウナギの例(英国の水産情報紙FFI35)からの引用)

ウナギ50トンを生産する場合の初期投資額は70〜75万ギルダー(約4,600〜4,900万円)に、ウナギ150トンを生産する場合では150万ギルダー(約1億円)になる。

7年償却とした場合の減価償却費は、年産50トンの場合は年660万円(生産量当り131円/kg)から700万円(生産量当り140円/kg)の間となり、150トンの場合では年14,280万円(生産量当り95円/kg)となる。

ハ)ノルウェーでアトランティックサーモンの陸上養殖を営むサンフィッシュ社は、もし日本でアトランティックサーモンを養殖する場合、次のような初期投資が必要となると言う。

年間200トン生産の場合 3億2千万円 (7年償却として230円/kgの減価償却費)

年間800トン生産の場合 8億1千万円 (7年償却として145円/kgの減価償却費)

年間1,200トン生産の場合 9億6千万円 (7年償却として115円/kgの減価償却費)

これには建物を含むということではあるが、これから養殖をスタートする個人や企業にとっては初期投資の負担が大きすぎるようである。ただ、生産量当りの減価償却費は、かなり海面養殖のそれにに近づいていると言える。

ニ)三菱重工(株)は日本へのウナギ用循環式陸上養殖装置の導入を目的に、初期投資について次のような試算を行っている。対象魚はヨーロッパウナギで、システムの技術開発はデンマークのビュルンドアクア社によって行われ、台湾のマグネシア・コーポレーションが自ら養殖しながらシステムに関するトレーニング等の指導を行う。

*年産50トンの場合

設備購入・裾付け5,800万円、空調・電気工事等4,290万円、トレーニング代等2,020万円、計12,110万円。

7年償却とした場合の減価償却費1,730万円/年(生産量当り346円/kg)。

*年産100トンの場合

設備購入・裾付け12,420万円、空調・電気工事等8,580万円、トレーニング代等4,200万円、計25,200万円。

7年償却とした場合の減価償却費3,600万円/年(生産量当り360円/kg)。

*年産500トンの場合

設備購入・裾付け42,840万円、空調・電気工事等37,330万円、トレーニング代筆16,030

 

 

 

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