給餌回数は稚エビ期は4〜6回/日だが、成長したエビは1回/日、夕方給餌が一般的である。クルマエビの摂餌は夜間行われるので、給餌は日没後に行うのが望ましい。
摂餌率と飼料効率の間にはY=-4.2X2+34.44X+6.1(Yは飼料効率、Xは摂餌率)の関係があるとの報告がある((株)ヒガシマル弟子丸)。これによると、最大飼料効率76.7%、増肉係数1.3を得るための摂餌率は4.1%となる。
クルマエビは魚類と違って底床に棲息するため、残餌や排泄物が蓄積分解して起こる底質汚染の影響を強く受けるので、注意が必要。
増肉係数 一般的には1.9程度
ウィルス
1993年、夏エビ供給のために養殖用種苗として導入した中国産クルマエビは、「PRDV」というウィルスを持ち込み、沖縄地区、鹿児島地区、瀬戸内地区そして浜松地区のクルマエビ養殖に大きな被害を与えた。翌94年には落ち着きを取り戻したが、天草・瀬戸内地区では94〜96年も引き続き大きな被害を受けており、休業や廃業をやむなくされた業者も多い。
このウィルスはその後、各地の親エビからも発見されており、憂慮すべき問題となっている。志布志湾の日本栽培漁業協会は、毎年クルマエビの親を4〜5千尾飼育し、産卵・孵化させ、5,000万尾の稚エビ生産を目標にしているが、96年に入荷した親エビの約80%がPRDVウィルスに感染していたとの話しである。親エビは九州全域から買い付けているが、入荷の際にサンプルをチェックして、感染していない親エビだけを残す事にしているが、それでも全量を検査するわけにもいかず、産卵・成長した稚エビが既に感染してしまっているという。瀬戸内の養殖業者もウィルス感染による斃死により、生産量は半減しているとの情報もあり、クルマエビ養殖はまさしくウィルスとの戦いであるとの印象が強い。