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西ヨーロッパのタイ(Gilthead seabream)の養殖生産も、この10年間に急速に伸びている。1988年には558トンであったのが、1993年には7,720トンにまで増加している。この伸びは現在も続いており、1998年には25,000トンの生産が目標とされている。主要な生産国はギリシャで、全体の54%のシェアーを占める。急激な供給増加のために、価格が大幅に下落しており、経営の問題になっている。

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(4)米国における水産養殖

米国では現在、約30種の水産物が養殖され、生産量は、過去10年間で倍増し、今後10年でさらに倍増するといわれている。1983年には14万トンであったものが、1992年には31万トン強となっている。養殖対象魚としては、ナマズ(キャットフィッシュ)が常に首位を占め、次いで、ザリガニ、トラウト、カキの順で、これら上位4種で総生産量の9割を占める。その他の魚種としては、紅鮭、大西洋サケ、テラピア、アメリカヒラメ等が養殖されている。

(5)中国における水産養殖

中国は1989年から世界一の水産生産国になったが、その後海面養殖も伸ばし、1995年は2,517万トンに達した。その内、内水面での生産量が約43%を占め、その中で養殖生産量は約90%を占める。中国の内水面養殖は、河川湖沼の生産力を生かした伝統的な生産方式である。淡水魚養殖の生産比率は、1994年の生産量719万トンのうち、ハクレン・コクレンが44.4%、ソウギョ24.9%、コイ15.7%、フナ5.4%、ティラピア3.3%、その他6.3%である。15億人の

 

 

 

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