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胃袋を支える上で、水産養殖は重要なたん白源となっているが、漁業による生産増はあまり期待できないので、2000年には総生産量の70%を養殖でまかなうとしている。内水面の養殖可能面積は600万haあり、うち1994年には445万haを使用したという。

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最近の中国における養殖で顕著な伸びを示しているものに、ウナギと貝類養殖がある。ウナギについては後述する。貝類の養殖は1990年には101万トンであったが、1994年には240万トンに増大している。主な種類はホタテ貝82万トン、アサリ52万トン、イガイ42万トン、マガキ31万トン、マテガイ25万トンとなっている。なかでもホタテ貝の伸びは自覚しく、日本やヨーロッパに輸出されている。中国ではコウライエビ(大正エビ)の養殖が盛んであったが、ウイルス性の病気が蔓延し、1988年に18万トンに達したのをピークに急減し始め、1994年には6万トンにまで落ち込んでいる。

(6)韓国における水産養殖

韓国ではハマチ、カンパチ、マダイ、クロダイ、ヒラメ、クロソイ等ほとんどの魚類養殖の技術は確立されているが、養殖生産量ではヒラメとクロソイで全体の80%を占める。特にヒラメ養殖は1986年に種苗生産に成功してから急速に発展した。陸上掛け流し養殖法が普及している。

(7)タイ

タイは世界最大の水産物輸出国であるが、その40%はエビである。エビ養殖の生産量は1980年代初頭には1万トンにすぎなかったが、1987年ごろから急速に増加し、1994年には26.3万トンにまで増えた。これはブラックタイガー養殖の成功によるものである。養殖法の特徴は汽水での池式養殖であるが、ここ数年環境の悪化と病気の発生により生産量は減少してきている。飼育密度はへーべ当たり60〜100尾、生産期間は稚エビ放流から3〜4ヶ月、生産性は1アール当たり2.5〜5トンである。エクアドルにおけるホワイトエビ養殖も同様に池方式ではあるが、広大な土地を利用し、投餌は飛行機から撒く方法をとっている。

 

 

 

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