日本財団 図書館


その他の分類として、クラゲ類、カニ類、ヒラメ類、アフビ類等が1,000トンを超える生産量をあげている。その他、マグロやチョウザメ、ワニ等、魚種の範囲は非常に広範になっている。

(1)エビ養殖

エビは80年代から90年代にかけて、世界的に増産されたため、世界のエビマーケットは近年大きく変化している。エビ養殖は、施設型養殖よりも、土地の安い途上国の粗放型養殖のほうが国際競争力を持つと言われ、そのため、エビの養殖主産地はASEAN諸国や、南米等に移行している。特に、アジアにおけるエビの養殖の伸びは目覚しく、アジアでの供給が国際的な供給と、価格動向を決めることにもなっている。ASEAN諸国においては、エビの輸出額は食品の中でいずれも第1位を占めており、外貨獲得の最も有力な手段となっている。しかし、近年、台湾やタイでのブラックタイガーエビや、中国での大正エビ等は、病気の蔓延による大量死の被害が顕著になっており、従来の粗放型養殖では生産に限界があることも見えてきた。

3-2-3表

最近のエビのウィルス被害

1993年 西日本でクルマエビが大量死百新種のウィルスPAV(DNAウィルス)による。

1994年 イエローヘッドウィルスがタイのエビ養殖に大きな被害。1.6億ドルの損害。

1994年 ホワイトスポットウィルスが中国大正エビを全滅

1995年 ホワイトスポットウィルスがタイにも出現。中国のよりも悪質で深刻な被害。70-80%の養殖業者が生産絶望的といわれ、タイ全体の輸出量は半減するのではとの予測もある。

 

世界のエビ貿易のうち、50%は日本が、30%は米国が輸入しているが、ヨーロッパやアジアの需要も伸びている。特に、それまで輸出国であった中国が、自国内での生産減少もあって、1995年頃からは一大輸入国になっており、供給が需要に追いつかずに、価格の暴騰が頻繁におこる可能性が強まっている。

026-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION