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年間約2万トンであるが、近年、配合飼料の割合が増加しており、平成5年頃には総量の半分が配合飼料になってきている。

(3)-ロ.調査結果

?溶存酸素量(DO)は、調査期間を通して表層では3.18〜6.28ml/l(平均4.81ml/l),水深5m層では3.06〜6.04ml/l(平均4.66ml/l)の範囲で推移し、酸素飽和度が50%以下の貧酸素水塊の形成は認められなかった。しかし、平成4年10月の3.06ml/l(飽和度60.74%)というように貧酸素水塊形成直前の値まで低下しているケースもあり、下波湾では秋季の鉛直混合期の貧酸素化に充分な注意が必要。

?CODは水深5m層で0.04ppm〜1.28ppm(平均0.58ppm)の範囲で推移し、年間平均値は水産用水基準(1ppm以下)を下回っていた。

?底泥の硫化物は0.25〜0.64mg/乾g(平均0.43mg/乾g)と、水産用水基準の0.2mg/乾gを周年にわたって上回っており、またその値は冬季にも回復せず、徐々に増加する傾向が認められ、下波湾の底質環境の悪化が危惧される。

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水産用水基準では、底質の基準としてCOD20mg/g(乾泥)を汚染の始まりとしている。水産庁が1981年と1985年に行った調査によると、底泥の表層部分におけるCODの値は、大阪湾で42mg/g,周防灘で32mg/g,浦の内湾で40mg/g,仙台湾で30mg/g,大船渡湾で44mg/g,宮古湾で57mg/8といずれも高い数値を示している所がある。CODは採取する泥の深さによって値が異なるが、瀬戸内海など西日本の多くの内湾では、20mg/g以上の底泥は表層部10cm内外の層に限られることが多いのに対して、大船渡湾や宮古湾のような北方水域では、しばしば30〜40mg/gを超える高いCOD値が数十cmないし百数十cmもの深層にわたって分布する

 

 

 

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