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(1)-ハ.瀬戸内海における赤潮の発生と被害状況

富栄養化により植物プランクトンが異常に発生し、海水が着色して見える現象を赤潮という。瀬戸内海では1960年代から増加し始め、その後毎年のように被害が発生している。その主なものを下表に示した。

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例-(2).鹿児島東町養殖場における水質および底質の調査

鹿児島県東町は、ハマチやカンパチを中心に古くから海面養殖を営んできた所である。

東町漁業協同組合と鹿児島大学水産学部附属水産実験場が、平成7年9月に東町31区画の養魚場について行った調査3)では、総面積217ヘクタールの養魚場のうち、63%にあたる13区画137ヘクタールにおいて、水質あるいは底質の劣化がみられた。また、同地区では昭和58年から13年間同様の調査を実施してきたが、それによると、17区画67ヘクタールでは回復傾向にあるものの、6区画55ヘクタールで水質・底質の劣化が診断され、また、8区画95ヘクタールが注意を要する区画と診断されている。

当地区では、水温が夏場は27.9度にまで上昇し(平成6年度)、養魚場周辺の溶存酸素量は8月中旬には5mg/1を切るまでに落ち込んでしまう。その状態が11月まで続き、いくら餌を与えても魚が太らないという問題も発生している。

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