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(2) デザインオプション

設計作業では、ある時点における設計情報を基に、複数設計案について比較検討を行うケースが頻繁に発生する。比較検討の対象とする設計情報の範囲としては、船1隻、ブロック、作業区画、部材等様々な範囲が考えられるが、PMを用いて設計を行う場合この比較対象とする範囲の情報を保持し、これをベースに複数案に対応するモデルを作成して構造や工法などの検討を行い、最適と判断したものを正式版として残すような運用ができると、設計作業の効率向上が期待できるので、このような運用がシステム的に支援される必要がある。

(3) コンカレントな作業の支援

通常設計作業では複数の作業者が同一のPMにアクセスして作業を行う。この場合、それぞれの作業者が更新した情報について作業者間で不整合が生じないようにする仕組みが必要である。具体的なニーズについては、実際に開発する設計支援や工法検討等のアプリケーション及び高度造船CIMのPMをベースに造船所で実用のシステムとして構築するアプリケーションを用いて、複数作業者が作業を行う場合のイメージまで想定して検討する必要があり、現在はこれらのアプリケーションの仕様とともに検討の段階である。

 

4.6.2 GPMEにおけるバージョン管理関連支援機能

GPMEから見ると、最終的にバージョン管理を実現するバージョン管理機能は、GPME利用者(すなわち、GPMEを利用して構築されるFLとそれを利用するアプリケーション)によってエンドユーザーに提供されるものであるが、このようなバージョン管理機能の実現を支援するものとして、GPME自体が提供している機能には以下の2つがある。

(1) PMデータベースユーティリテイのバックアップ及びリストアコマンド

PMデータベースユーテイリテイは、PMの新規作成、削除などPM自体の管理を行うコマンド群であり、このユーティリティとしてPM全体のバックアップ、リストアを行うコマンドが提供されている。更に、今まで行ったバックアップ内容の一覧を表示するコマンドも併せて提供されている。

これらのコマンドは、通常GPME Studioの ProdToolウインドウからGUIを経由して利用されるが、UNIXのコマンドとしてGPME Studioを使わずに利用することも可能である。

(2) gWorkUnitクラス

GPMEでは、PM内のインスタンスのクラスタリングを行うために gClusterと呼ばれるクラスを最上位とするいくつかのクラスを提供している。GCluster及びそのサブクラスはいわばインスタンスの格納庫のようなものであり、互いに関連の深いインスタンスどうしを同じ gClusterに収めることで、パフォーマンスのチューニングを行うことができるもので

 

 

 

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