日本財団 図書館


4. プロダクトモデルの共通化

本章では、本開発研究の大きな柱の一つであるプロダクトモデル(PM)の共通化について述べる。

PMの共通化については、図0.1-2に示すように下記の5項目が実施項目となっており、平成9年度は、?から?までは拡張部の仕様書を作成すること、また?については概念設計書を作成することが主な実施内容となっている。

? 共通機能の拡充

? 構造設計FLの柔軟性向上

? 船殻詳細構造表現能力の拡充

? 艤装FL共通機能の拡充

? バージョン管理機能の実装

そこで、PM共通化のための拡張の基盤となるGPMEの概要を4.1で述べた後、4.2で構造設計FLの柔軟性向上、4.3で船殻詳細構造表現力の充実、4.4で艤装FL共通機能の拡充、4.5で工作FL共通機能の拡充、4.6でバージョン管理機能についてそれぞれ述べる。

なお、上記5項目のうち、共通機能の拡充については、プログラミング上は共通機能として提供されるものであっても、その要求仕様は4.2から4.6で挙げられるニーズから導かれるものであるため、独立した節ではなく4.2から4.6に含まれた形で記述している。工作FLは船殻構造FLや艤装FLと密接な関連を持っており、船殻構造FL及び艤装FLが実用レベルに拡張されていることを検証するためには、工作FLも同様のレベルに拡張されている必要がある。また、検証用アプリケーションを動かすためにも工作FLを広範にわたって拡張する必要がある。このような点を考慮して、工作FL自体は上記5項目の拡張対象には含まれていないが、4.5において工作FL共通機能の拡充について述べる。

 

4.1 GPMEの概要

本開発研究では、平成7年度と8年度に実施の「組立産業汎用プロダクトモデルの開発研究」において開発されたGPMEをベースとし、そのPMを造船業において共通に使える実用レベルのPMに拡張することが目的の一つである。それで、本題であるPMの拡張内容について述べる前に、拡張の基盤となるGPMEについての概要を、平成8年度の「組立産業汎用プロダクトモデルの開発研究報告書」からの引用を含めて以下に述べる。

 

4.1.1 GPMEの構成

(1) 開発の基本方針

前述のように、GPME開発の目的は組立産業におけるプロダクト情報及びプロセス情報

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION