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ールド内のトランスリングの設計」に含まれるプロセデュアの内容は表3.4.1に示した通りであり、前船を参考にしてトランスリングの概略形状をイメージする、トランスリング形状を描く、ルール計算により板厚を計算する、板割ブロック分割位置に接手線を定義するなどの一連の作業から成る。

PMへは、この作業手順に従って構造情報が順々に定義されていく。これらの設計作業は、設計者の意思決定に基いて設計者が直接PMに情報を追加するもの、PMのオントロジに基いてシステムが自動的に定義するもの、設計者がシステムに指示を与えることによってシステムがPMに情報を定義するものなどに分けられる。

プロセス管理ツールは、プロセスモデルへ登録した設計手順情報を基に、設計者への作業手順の指示や、実行状況を監視し、PMの構築を支援することができる。また、システムで自動定義できる情報については、プロセス管理ツールから直接システムの起動や実行を制御して、PMを構築していくことができる。また、起動された業務支援アプリケーションは、実行終了時点でプロセス管理ツールに自動的にその作業の完了を報告する。

逆に、PMから情報を検索し、必要な設計情報が確定している場合のアクティビティと未確定な場合のかそれとのプロセスの分岐判定を行うこともできる。

これらの設計手順には、現場工作性の面から検討を生産技術者と打ち合わせるための会議を開催するという種類の作業項目も含んでおり、プロセス管理システムは、設計者に会議の招集が必要なことを知らせることができる。

プロセスモデルは、他のアクティビティ、例えば艤装設計者のそれの中の設計手順との依存関係を表現することも可能であり、艤装設計者がパイプの貫通位置情報を決定すると、プロセスモデルに表現されたアクティビティ間の関連情報に従って、プロセス管理システムは構造設計者へ関連情報が決定されたことを知らせることができる。

以上のように、プロセスモデルを利用した概略イメージについて述べたが、来年度以降は3.3で述べたプロセス記述法であるIDEF3を利用して造船業務を記述していき、プロセスモデルを具体的に検討すると同時に、市販ワークフロー管理システム機能を利用したプロセス管理アプリケーションを検討し、プロセスモデルによる造船業務の作業支援について更に検討を進めていく。

 

 

 

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