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2.4  プロトタイプによるリファレンスアーキテクチャの検討

ACIMリファレンスアーキテクチャ(2.2.3参照)を実現する要素技術としてGPME、CORBA、ワークフロー、エージェントなどの情報技術を用いるが、現時点でこれらはソフトウェア市場においてまだ未成熟な情報技術である。これらのうち、特にGPME及びCORBAの利用に焦点を当て、実際にプロトタイプを実装することにより、早期に実装上の問題点や検討課題を抽出し、今後の開発へとフィードバックすることを目的としてプロトタイプを開発した。

また、GPMEを除くと、ACIMリファレンスアーキテクチャで採用する要素技術のうち、多くのものは開発専任チーム員にとって未経験の技術であり、訓練が必要である。そのため、プロトタイプの開発を通して、その基本概念、実装方法及びツールの使用方法に関する技術蓄積を行うことも目的とした。

 

2.4.1  検証手順と検証項目

(1) アプローチ

以下のアプローチによってプロトタイプを開発し、平成10年度以降のリファレンスアーキテクチャに基づく知識共有環境開発へのフィードバックを行う。新しい考えに基づくシステム開発では、常にニーズとシーズの両面を考慮しなければならないが、現在、業務面からの要求仕様は検討中であるため、今回のプロトタイプではシーズ(本開発研究として推奨するリファレンスアーキテクチャ)の検証を行った。対象とする業務シナリオなどのシステムニーズが整理された後、業務要求に対する検証を行う。

・検証項目をリストアップし、プロトタイプ範囲を明確にする

・プロトタイプを開発する

・プロトタイプ開発の結果を基に、問題点をリストアップする

・問題点の解決方法を検討してアーキテクチャを洗練する

・報告書を作成して結果を公開する

(2) 検証項目

以下の項目を検証した。

(a) CORBA製品の機能検証

現存するCORBA製品が、ACIMリファレンスアーキテクチャを実現するのに十分な能力及び機能を持つことを確認する。

・ネーミングサービスが正しく稼動することの検証

・イベントサービスが正しく稼動することの検証

(b) GPME ファシリティ(GF)の実現可能性検証

GPMEのPMをORB上のサービスとして提供する仕組みを検証する。

 

 

 

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