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も採用)やBooch法など多くのツールがそれぞれ互換性のないまま発展してきた。今回これら代表的な2つの手法が概念的にもツール的にも統一されたので、今後この分野における中心的な手法となると思われる。更に、本手法はOMGでも最近規格として認知されたことで、一層普及に弾みがつくものと思われる。

(e) VRML(Virtual Reality Modeling Language)

インターネット環境での利用を想定した3次元画像表現形式である。近年改訂されたVRML2.0では更に音声データや写真データの背景としての取り込み、動作モードの追記や干渉チェックなどの動的要素も加えることができるようになっている。

現在既に大手市販CAD製品(例えばAutoCAD)にはVRMLデータ対応のものが出現し、今後設計検討や組立検討などの場面での利用が考えられる。

(f) SGML(Standard Generalized Markup Language)

SGMLは各種の文書や文献を電子化するための国際規格である。SGMLは文書をタグでマーク付けることで、文書内容を構造的に格納し、検索することが可能となっている。SGMLの規格の中で、特に中核的な意味を持つのがDTD(Document Type Definition)である。DTDをいかにうまく定義できるかで、文書蓄積及び活用の有効性が大きく左右される。しかし、SGMLはその規格内容が複雑なうえ、使いやすいDTDの作成も難しいため、SGMLは実際のところ普及に手こずっている。

(g) XML

XMLはインターネット環境での利用を想定したSGMLの大幅なサブセットで、SGMLの規格書は500ページにもわたるが、XMLはわずか30ページに過ぎない。

SGMLは文書表現形式として完璧を期していたが、そのうち構造性や正当性検証等は残して、時代遅れのもの、実装が困難なもの、インターネット上では意味を失ったものなどを大幅に削除した。そして、HTMLによって実証されたインターネット上での有用な機能であるURLを含むリンク機能とスタイルシートを取り入れた。

また、新規に考案された機能は:

・適正な形式に従っていれば、DTDがない文章も許容される

・参照する個所とされる個所が双方向に、かつ複数リンクが張れる

などSGMLとHTMLの利点を併せ持ち、かつ拡張性に富んだXMLは今後Web上の自由表現可能(フレキシブル)なデータ記述フォーマットとして採用されていくと思われる。

(h) IDEF

IDEFは元来米国空軍が航空機の発注の際に、いろいろなメーカーに対し標準的な仕様で発注を行うために開発した標準手法である。

米空軍は1977年からこの開発プロジェクト(Integrated Information Support System

 

 

 

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