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表現方式である。内容は単なるデータ表現だけでなく、機能表現、関係表現や拘束表現等も記述可能である。用途としてはエキスパートシステム、データベース、インテリジェントエージェントなどのプログラム間の通信内容表現として用いられる。他の表現形式(例:STEP/PDES)との変換も可能である。本開発研究においてはエージェント間の知識と情報の伝達に適用の可能性がある。

KIFの特徴としては、第1にこれは宣言的なセマンティクスを持ち(すなわち、処理の手順を処理系に教えなくても、表現の意味は理解できる)、第2に論理的に理解し易い(第1階述語論理演算の任意の表現を提供する)。第3に知識の表現形式を提供し、第4に非単調推論規則の表現形式を提供して、第5にオブジェクト、関数、関連の定義を提供するということが挙げられる。

(b) KQML

KQMLは情報や知識を交換するための言語アーキテクチャプロトコルである。KQMLは、アプリケーションプログラムが知的なシステムと通信したり、2つ以上の知的システムが協調して問題解決を行うための知識を共有するためのプロトコルとして用いられる。KQMLは、パフォーマティブ(Performative)というものの拡張可能な集合を有するという特徴を持つ。パフォーマティブとは、それぞれのエージェントが持つ知識群や目的群に関連する許容された操作群であると定義される。パフォーマティブは、契約ネットあるいは交渉などのエージェント間通信のより高度なモデルを開発するための要素技術である。更に、KQMLはエージェント間の通信を調整する、コミュニケーションファシリテーター(Communication Facilitator)と呼ばれる特殊なクラスのエージェントを介して、知識を共有するための基礎的なアーキテクチャを提供する。

(c) STEPのEXPRESS

STEPではPMの記述では整合性を取り、また一意的な内容記述表現言語としてEXPRESS言語を用いることになっている。これはフォーマットとしては人間可読な形式であるとともに、ソフトウェアプログラムがその内容を理解できる形式を取っている。

EXPRESSの特徴として:

・オブジェクト指向言語であること

・データ定義とともに制約条件の記述が可能

・構造や表現等のスキーマの仕様が独立的に規定可能

・通常のプログラミング言語と同様に宣言文とアルゴリズムの実行文が記述可能

であることが挙げられる。

(d) UML(Unified Modeling Language)

オブジェクトデータの設計手法である。従来この分野に関してはOMT法(GPMEで

 

 

 

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