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それらのうち、造船業に関連の深いテーマについてCORBAの適用用途とメリットの調査を行った。

(ア) デジタルモックアップ

V-CALS(自動車)においては、国内の自動車メーカーが協同して従来の現物大のモックアップ作りを、コンピューター上の3次元画面によるデジタルモックアップで置き換えようと試みられている。

このとき、統一的な3次元データモデルはCORBAをベースとする協調的なコンピューターシステム上で稼動できるようになっている。CORBAをベースとしているので、各社の異なるコンピューターシステムからでも共通のアクセスメソッドを使って、自由にアクセスすることが可能となる。

(イ) 異種分散PPDM

日本で行われているCALS技術研究組合の活動では複数の企業間の協業関係を電子的に確立するためのシステムをCORBA上に構築しようとしている。具体的には、各社個別の製品情報管理(PPDM:Process and Product Data Management)システムをデータモデル的にはSTEPで統合し、コンピューターシステム的にはCORBAで統合しようとしている。ここでいう「統合」は従来のような「画一化」するという意味ではなく、「論理結合が矛盾なく行える」という意味である。言い換えると、データモデルに対する透過性の実現はSTEPで、データ位置に対する透過性はCORBAで実現しようとしている。この異種分散PPDMで実現すべき機能を3段階にレベル分けして:

・レベル1 データにアクセスし、内容が表示可能

・レベル2 協業作業に必要な承認作業が可能

・レベル3 異種PPDM間のワークフローの連携が可能

というように段階的にシステムの充実を図ろうとしている。

(3) 知識表現関連技術

知識・情報共有をべースとしたコラボレーションを考えた場合の知識表現は:

・コンピューターとコンピューターとの知識と情報の共有

・人間とコンピューターとの知識と情報の共有

・ 人間と人間との知識と情報の共有

の3つの観点から検討する必要がある。

本開発研究において、知識共有に活用される可能性のあるいくつかの「知識表現法」について以下にその概略を説明する。

(a) KIF

KIFは、Lispベースのコンピュータープログラム間で、知識・情報を伝達するための

 

 

 

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