2.3 分散オブジェクト関連の要素技術の調査
2.3.1 CORBA製品の調査
今後分散オブジェクト環境の標準となると思われるCORBA準拠の分散オブジェクト製品について、現状の機能及び将来の方向性について調査を行った。なお、この調査結果は特記を除いて平成9年7月現在のものである。
(1) 調査対象
現在多くのCORBA製品が市販されている。すべてについて同様なレベルの調査を行うことが望ましいが、調査期間の制約から詳細な調査はOrbix及びVisiBrokerの2つの製品に対して行った。これらを選択した第1の理由は日本国内でのサポートを受けることが可能なシステムであること、第2の理由は主要なプラットフォームで稼働することである。本開発研究の運用実験ではSun SolarisとWindows NTあるいは95上で稼動することが必要である。また、その成果を受けて、造船各社で開発するアプリケーションの稼動プラットフォームとしては特定のベンダーに依存しない商品である必要がある。
(2) 調査項目
以下の項目について調査を行った。
? IDL
言語バインディングの種類や製品固有の特徴についてまとめる。
? 通信プロトコル
単一あるいは複数ORB環境でクライアントとサーバーが通信を行う場合のプロトコルの種類及び利用する上での注意についてまとめる。
? ORBコア
動的インタフェース呼び出し、動的スケルトン呼び出し、インタフェースリポジトリ,
インプリメンテーションリポジトリなどについてまとめる。
? オブジェクトサービス
現在サポートされている共通オブジェクトサービス及び製品固有のオブジェクトサービスについてまとめる。
? マイクロソフト環境との連携
マイクロソフト社のWindows NTあるいは95上のアプリケーションを、CORBAのサーバーまたはクライアントとして利用する方法に関してまとめる。
? その他の技術的特徴
製品独自の特徴的な技術をまとめる。
? 稼動実績
海外と国内の稼動数や利用者及び他の製品への技術提供についてまとめる。