ーションからだけ利用されるのではなく、複数のアプリケーションで共通に使用される場合もあり、更に、Domain Function Facilities内の他の関数からも利用されることがある。
(5) Applications(APP)
ここで言うアプリケーションとは、ORBに基づくACIMリファレンスアーキテクチャに従って構築された造船の各種業務を支援するアプリケーション群であり、分散オブジェクト環境に対応したものである。アプリケーションは、ACIMリファレンスアーキテクチャの他のカテゴリーに属する種々の機能コンポーネントが提供するサービスを組み合わせることによって効率的に開発される。船殻設計CADや工程設計アプリケーションなど想定されるアプリケーションは多岐にわたる。
(6) Legacy Applications(LA)
現在、各造船所で稼動している既存CADシステムなど、高度造船CIMリファレンスアーキテクチャに基づかず、そのままではORBを介してオープンな世界との情報交換ができないアプリケーション群を指す。ただし、これらのアプリケーションにORB対応とするためのラッパー(Wrapper)と称するプログラムを付加して、Legacy ApplicationからGPME FacilityやACIM Common Facilityのサービスを利用することが可能となる。逆に、Legacy Applicationが有する機能をORBを介して、ネットワーク上の他のコンポーネントが利用することも可能である。ラッパーを付加することで、造船所で稼動している多数のアプリケーション資産をオープンな分散オブジェクト環境の下に統合化できるメリットは大きく、ORBを利用する利点の一つである。
このアーキテクチャを基本的な指針として、分散オブジェクト環境を基盤とする高度造船CIMが構築される。5.で述べる高度造船CIMの検証用アプリケーションは、このリファレンスアーキテクチャに基づいて開発されることになる。なお、このアーキテクチャにおいて造船に関する知識は、GPME Facilities、Domain Functional Facilities、ACIM Common Facilities及びアプリケーションに分散して存在し、このリファレンスアーキテクチャに記載されたシステム全体で知識共有を実現することになる。
高度造船CIMは、本リファレンスアーキテクチャの各カテゴリーに含まれる機能コンポーネントを整備していくことで継続的に拡張されていくが、本開発研究で実現する範囲に関しては2.3.5で検討する。
