ースである。それが使えない言語(例えばVisualBasic、COBOLなど)にテキストストリング形式のインタフェースを提供する
・パーシステント:クライアントオブジェクトとサーバーオブジェクト間の処理に伴い発生する処理の状態等の情報を保管する
・統一データ転送:クライアントとサーバーの間の双方向のデータ交換方式
・モニカー:全てのオジェクトは30数桁の英数字で構成されるGUIDで識別されているが、それを人間に可読の形態で管理する機構
(3) CORBAとDCOMの連係
1996年まではCORBA陣営はマイクロソフト社のCOM/DCOMを敵対視し続けてきた。しかし、インターネットが世界共通の通信インフラストラクチャとして定着したことなどで、両者の連携が進展し易くなった。それぞれの側から相手の側のオブジェクトコンポーネントにアクセスできるための連携機能(ブリッジとゲートウェイ)の開発が進んでいて、その中には一部商品化されているものもある。この連携によってシステム開発者及びエンドユーザーにもたらされるメリットやシステム構成などは、以下のようになると考えられる。
・ホスト上あるいはワークステーション上の既存データベースや既存システムとの連結はCORBAを介し、エンドユーザーはWindowsあるいはインターネットブラウザーを利用する。このとき、PC上のコンポーネントはDCOMの市場に多くかつ安価に出回っているものを使うことになるであろう
・音声データ、動画データはWindows(DCOM)どうしでやりとりをすることになるであろう。用途としては電子会議やリモートメンテナンスが考えられる
結局、全体としてCORBA、DCOMに関係なくインターネット上のコンポーネント群の連携(ObjectWeb)という概念が今後の分散オブジェクトシステムの性格を一番正しく定義することになると思われる。
(4) まとめ
以上のように、CORBAは世界最大のソフトウェア業界団体であるOMGにより策定されている分散オブジェクト技術の相互運用のための規約であり、稼動プラットフォームについての限定はないが、主にUNIXマシンとメインフレームを中心に利用されている。一方、DCOMはWindows環境における分散オブジェクト技術であり、マイクロソフト社が独自に仕様決定と実装を行っているものである。ただし、1997年以降CORBA/DCOM連携機能が進展して、相互運用が可能となっている。本開発研究における知識共有を実現するためには、稼動プラットフォームに依存しないオープンな分散環境とする必要がある。従って、基本的にプラットフォームを限定しないCORBAに準拠することとするが、Windows環境との連携を実現するCORBA/DCOM連携機能を提供するORB製品を使用して、プラット