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以上の機能群を整備することで、最終的にCORBAは以下の4つの機能を実現することを目標としている。

・過去、現在及び将来のソフトウェア資産の有効活用

・統一された規格化ソフトウェアコンポーネントの流通の促進

・アプリケーションソフトウェア品質の向上

・柔軟で拡張性の高いシステムアーキテクチャの提供

(b) CORBAの構成

1995年に制定された最新の規約CORBA2.0では、基本構成要素として次の4つが挙げられている。

(ア) ORB

ORBはシステム的に中核的な役割を果たす。機能的には分散オブジェクト相互の情報や起動・停止のイベントの伝達を司る論理的なチャンネルである。ORBは重要な役割を担うが、黒子的役割なのでエンドユーザーからは全く見えないか、あるいはその存在を意識することは少ない。ORBは分散したコンピューターシステム間の情報をベースとして、他の構成要素の機能実現のための情報処理を助ける。

(イ) CORBAサービス

ORBが通常のオペレーティングシステムで言う「カーネル」に該当すると言えるならば、CORBAサービスは「システムコール」に当たる。つまり、分散オブジェクトどうしが連携して機能するために必要な情報管理のメカニズムをライブラリ形式で提供する。ただし、これもORBと同様に通常はエンドユーザーからは見えないものである。現在の規格では17サービスが規定されている。

(ウ) CORBAファシリティ

既成のアプリケーションユニットあるいはアプリケーションを構築するのに必要な既成部品である。現在計画中のファシリティ群は4つのカテゴリー、すなわち、ユーザーインタフェース、情報管理、システム管理とタスク管理に分類できる。

(エ) アプリケーションオブジェクト

エンドユーザー自体がアクセスするアプリケーションである。CORBAの規格では、プログラム間(オブジェクト間)のインタフェースはIDL(Interface Definition Language)と称する特定のコンピューター言語に依存しない共通の表記法を用いている。従って、アプリケーションオブジェクト(クライアント)は、機能側(サーバー)オブジェクトの実装言語と無関係に作成することができる。

(c) 将来のCORBA及び分散オブジェクト技術の方向性

今後、CORBAは本格的な分散オブジェクトシステムへ対応するために、以下の機能が

 

 

 

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