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4.1.3 避航支援機能

(1) 避航支援機能の概要

避航支援機能は、航行経路に沿って船を自動で誘導する船位誘導機能を前提としており、避航を航行経路の変更(WPの移動)と捉え、航行経路変更の際の意思決定を支援するために有効な情報を提供するシステムである。

当システムでは、避航行動決定を支援する情報として、以下に示す情報を提供する。これらの情報は、幾何学的な位置関係が明瞭で、表示の意味が直観的に把握できる形で提供され、また、屈曲した航路にも対応できることから、避航後の状況変化をも確認した上で、避航経路の決定ができる特徴を持つ。

 

?予定航路帯における危険領域表示

自船の予定航行経路を中心とした航路帯を想定し、その航路帯内における衝突および座礁の危険のある領域を危険のレベルに応じて色分けして表示する機能である。これにより危険な領域と安全な領域が直観的に把握でき、大局的な状況判断に有効であるとともに、避航経路の決定を容易に行うことができる。

 

?予定航行経路上での航過距離表示

他船との航過位置および航過距離を予定航行経路上に表示するもので、現状把握に有効であるとともに、避航経路の安全性を定量的に確認することができる。

 

図4-1-10に瀬戸内海(備讃瀬戸東航路)を航行中における危険領域の表示ならびに航過距離表示の例を示す。

図中の内航近代化実証船は備讃瀬戸東航路を東航中であり、複数の同航船(ARPAのターゲット?、?および?)とほぼ並航して大槌島・小槌島間を航行しようとしている。黄色・赤で示された領域はそれぞれ他船?および他船?で閉塞される領域を示しており、内航近代化実証船の前方の左右それぞれに展開しているものの、原針路上には危険領域の表示がなく、このままの針路で2隻の同航船を安全に航過できることを示している。

また、船型の表示は最接近する際の位置関係を示している。

 

 

 

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