(2) 船位誘導機能の使用実績
内航近代化実証船の操縦モードは、船位誘導モード、オートパイロットモード、ハンドモード、およびリモートコントロールモード(ジョイスティックモード)があり、適宜切替えが可能である。航海中では、船位誘導モード、オートパイロットモード、ハンドモードのいずれかが選択されることとなる。
実証試験における操縦モードの使用実績を確認した。
? 運航員による使用実績の比較
図4-1-7に平成9年5月14日から平成10年2月18日までの、航海中における各操縦モード使用の割合を示す。甲板部の運航員の交替はほぼ月単位で行われているため、図の横軸には月ならびに運航員(船長と一等航海士)の組合わせを示した。縦軸は全航海時間に対する各操縦モードの割合を示す。
平成9年(97年)5月は、運航員(A-B)に対するメーカによるインストラクションが実施されたため、船位誘導モードの使用割合が大きくなっているものの、同じ運航員の組合わせである平成9年9月ならびに10月では、船位誘導モードの割合は少なく、オートパイロットモードの使用割合が大部分を占めている。
一方、平成9年7月と平成10年1月では運航員(D-C)と運航員(D-G)により、船位誘導モードの使用割合が多くなっている。運航員Dおよび運航員Gは5月までの間にインストラクションを受けており、船位誘導モードを使える状況にあった。
したがって、使用方法を習得した状況であっても運航員の違いにより、船位誘導モードの利用に差違があることが分かる。