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現在、荒天時の外洋において事実上唯一のシステム形態として単独船舶で稼動可能と言われているFrank Mohn Flatoy AS(Framo)社のFRAMO/NOFO Transrec. System 350の稼動形態について図3-4-5に、また同じく仕様について表3-4-1にそれぞれ示した。

このシステムは、堰・吸引式、ディスク式、ベルト式の各油回収装置を回収パッケージとして用いており、オイルフェンスで包囲した流出油を回収、移送、貯蔵するものである。堰・吸引式油回収装置には回収油の切断機を備えた移送ポンプを装備しており、回収した油は浮力のある移送ホースを通じて回収船上の貯蔵タンクに移送される。回収船には、移送ホースドラム・ウィンチ、エマルジョンブレーカーが装備され、また、動力供給中断の事態に対応できるように予備のディーゼルパワーパックを搭載している。

流出油の回収率は、堰・吸引式、ディスク式、ベルト式併せて740 m3/h、回収効率の確保のために移送ホースは6インチの内径を有し、これに対応すべく移送ポンプの吸引負圧は280barとなっている。

表3-4-1に示したように、有意波高3.5m、風速30ノットの条件下を2ノットで曳航しつつ稼動が可能で、荒天時の外洋における最も効率的な稼動形態のひとつであると思われる。

 

 

 

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