3.3.4 カナダ
カナダにおけるカナダ沿岸警備隊(CCG:Canadian Coast Guard)の支所配置は、3.1.4項、図3-1-6に示したように、全体的に南側に偏った配置をとっている。これは、米加両国領海境界を越境するような油流出事故に対応するるためである(Canadian coast Guard, 1997)。現在、カナダとアメナカの共同緊急防災計画においては、流出油事故あるいは油膜の漂流範囲がカナダとアメリカ両国に影響を及ぼすような流出事故における両国共同の防除対応について調和・整合を図るために普段からCCGの各支所が米国沿岸警備隊(USCG)と共同で活動することになっている。
カナダにおける油防除資機材に関する配備状況については、公開資料が少なく、わずかにカナダ沿岸警備隊の機動配備状況がわかっているにすぎない。ここでは、CCGの保有する船舶、航空機のうち代表的なものについて列挙した。これらのうち固定翼機のDe Havillandは、救難調整センターを駐留基地としているが、その高い機動性から哨戒空域は、カナダ全土となっている。