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入実績が高く、また粉末状のこの薬剤をポリプロピレン性のチューブ・マット状の袋に充填した形態の製品もある。

また、ANSUL INCORPORATED社のSpill-X-Sは、低密度(0.48)、低含水率(0.03)の吸着・凝固剤であり、1ガロンで1300〜1500m2の海面のをカバーすることが可能である。また、散布機へ装填するだけで使用が可能であるとともに、散布後の蒸発による機能低下が少なく、緊急性を要する対応へのアドヴァンテージを強調しているが、毒性に関する記述は仕様からは読みとれなかった。

ICI Polyurethanes社のSuprasec X 1002 Variantは、液体ポリウレタンを主剤とした凝固剤で発泡時に油を取り込んで凝固するタイプであり、本来静穏域用であるが、外洋域においても包囲後の油に対しては有効であるとしている。

凝固剤についてはメーカー数が少なく、収集した情報からは、荒天時の外洋への直接使用の可能性については明確ではないが、開発側としては、荒天時への対応性よりも即応性、無毒性、処理率に重点を置いているように見受けられた。

 

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(3)油ゲル化剤

これの使用は、単独では完成された回収技術とは言い難いが、液体の油を固体化し、手作業やネットによる回収を容易にする化学薬剤である。これらの化学剤の効果は、実験室では確認されているが、油中に十分混合させることが難しいこと、及び高価であることが障害になって、その適用範囲はかなり限定されるものと推察される。種類としては液体油グル化剤と粉末油ゲル化剤に大別され、日本国内では海防法施行規則第33条の第1号に基づいて表3-2-18にように規格が定められている。現時点で承認されている両ゲル化剤の一覧を表3-2-19に示した。

 

 

 

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