?ベルト式
親油性の高い材料で作られたベルトを2本あるいはそれ以上の本数の回転ローラー間に張り、これの一端を海面に浸して回転させることにより流出油を付着させて回収する。このとき付着させた油は、ベルト上端において搾り取り、回収する(図3-2-9)。このベルトの代わりに樹脂製のブラシを装着したもの(ブラン式)もあるが、ここではこれをベルト式に含むものとして扱うこととした。
この方式においては、付着油を搾り取って回収するため、ゴミ等、固体の夾雑物が混在すると、ベルトや搾り取り装置を損傷する可能性があるので、ベルト上の固形物の除去に注意を払う必要がある。
ベルト式油回収装置は装置の系全体が大きいため、ほとんどが船舶をプラットフォームとして稼動される。
?ロープモップ式
高親油性の化学繊維を材料としたロープ上のモップを海面に浸して回転させ、ロープモップが吸着した流出油を、ベルト式同様に搾り取り装置により回収する方式である。この方式では、ロープモップの全長を調整することにより海域条件への適応性を確保することが出来る。また吸着材にフレキシビリティがあるため、大型の浮体、水の下やゴミの中等、障害物のある条件下においても稼動が可能である。
本方式では、陸上や船舶等のプラットフォーム上に回収装置を設置して、プーリーを介して、流出油のある区域にロープモップを張る稼動方式(図3-2-10)と、プラットフォームから直接流出油の区域上方に装置自体を展開して、ロープモップを海水に浸す場合がある。