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?漏油限界

日本国内においては、静穏水域を前提として設計されたものがほとんどである。当財団筑波研究所において水槽実験により各型式(A,B,C,D型)のオイルフェンスについて、その漏油限界が評価されている(表3-2-5)が、日本沿岸における卓越波高である0.5〜2.Omに対応できるものはない。

 

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(4)まとめ

以上、オイルフェンスは、「物理的に堰き止める」というその稼動形態から推察されるように、荒天時の外洋への対応性は、その規模と堅牢性に大きく依存する。この点から考えて、唯一荒天時の外洋への対応の可能性が期待できるオイルフェンスは、荒天時の外洋という条件をNakhodka号事故の風速20m/s、波高6mと考えれば、RO-CLEAN DESMI社のRO-BOOM350 0(表3-2-1(2))が対応可能波高と対応気象条件においてかろうじてこれを満足しているが、「実質的な現場における性能は、カタログ性能の50%以下になる」といった指摘もある。

また、破砕波が発生すると、流出油はほとんど海面から姿を消し、海中に取り込まれる。油が比較的大きな油滴に分裂した場合、波高とほぼ等しい水深まで潜ってしまう。また、油滴が小さい場合は自然に海中に拡散する。さらに、海面上および海面付近に残った油分は波によって流速が増大するためオイルフェンスで取り込むことは不可能である。(Rodal 1997)

以上のことから、Nakhodka号事故当時のような荒天時にオイルフェンスで流出油を取り込むことは事実上不可能と思われる。

 

 

 

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