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3.1.4 カナダ

(1)防除対応体制

カナダにおける流出油防除の実働体制は、カナダ沿岸警備隊(CCG:Canadian Coast Guard)に集約されている。この他に関連機関としてよく知られるカナダ環境庁(EC:Environment Canada)があるが、ECは現場での防除活動は行わず、もっぱら油防除・観測用資機材や手法の研究・開発を行っている。

CCGの配備している油防除資機材はその物量、性能ともカナダ国内では最大級で、その任務は、油流出のモニタリングと防除対応、緊急防災計画策定のための基準の作成と更新、新たな防除対応手法と技術の開発支援を要として展開されている。油流出事故発生後、カナダ政府によりCCGの出動が決定されると、CCG担当支所は、カナダ全土を通じて防除戦略上に有効な資機材の動員体制に入る。

CCGでは、防除資機材配置管理システムにより、常に高い防除稼働率を確保できる防除資機材を有している。このシステムは、防除資機材に関して、資機材の種類・性能と寿命、維持管理コスト、減価償却等に関する一元的に情報を管理しており、緊急防災計画の大きな一翼を担っている。

ECは、航空機リモートセンシングとそのセンサ開発や海岸浄化、漂流油流出シミュレーションモデルの開発等でCCGを側面から支援している。後述の航空機リモートセンシングでは、ECの開発した、紫外線センサやレーザー蛍光センサが用いられる。

 

(2)連絡体制

油流出事故発生の通報は、第一発見者がCCGに行い、政府が出動許可を出す。事故現場からの通報を受けると、まず概況把握のために当該海域上空においてECの航空機によるリモートセンシングを行うとともに、流出油の状況を分析・検討後、具体的な対処方法を決定する。カナダにおいては以上出動決定までの一連の作業が24時間以内に行われる。

 

(3)流出油緊急防災計画

カナダは、油流出事故発生の際には、前述のように発見者がCCGに通報し、政府が出動許可を出すことになっている(Gamble,1997)。

CCGの支所は、カナダの東西の海岸にあり、すべての支所に防除資機材を配備している。カナダ沿岸警備隊の支所配置について図3-1-6に示した。カナダ沿岸警備隊は、これらの地区を102隻の船舶(ホバークラフトを含む)と19機の航空機(ヘリコプターを含む)の機動力でカバーしている。

 

 

 

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