条件上無理であると判断された場合には、直ちに航空機による分散処理剤散布がMPCUを中心として機関間で検討される。機械的回収については、これが可能な海象条件になった後、分散処理を補完する形で実施される。
(5)防除対応訓練
イギリス大手一貫操業石油会社のコンソーシアムであるOil Spill Response Ltd.(OSRL)及びその非会員組織からの流出油防除対応関連トレーニングに対する要請に応じるために、OSSCは、サザンプトンのトレーニング施設及び海外(アメリカを除く。)の多くの場所で流出油防除対応関連の一連のトレーニング・コースを開催している。OSSCは、年間約800人の受講者を引き受けることができ、流出油防除対応関連トレーニングの主たる提供者となっている。また、石油関係者ばかりでなくタンカー乗組員等、受講者の状況に応じた実践教育も行っている。
トレーニングコースでは、オペレーション関係のスタッフがトレーニング・チームを補完して理論及び実務の両面のトレーニングを実施し、最近の流出油処理作業における彼らの実際の経験を伝授している。
訓練内容については、以下のとおりである。
1)オイルフェンスの展張と油回収装置の操作
2)分散処理剤の理論と使用方法
3)通信訓練
4)物理的な回収の理論
5)海洋生化学とエコロジー
6)安全対策
7)訓練参加企業の特殊問題に対する緊急処理対策計画の立案
8)緊急時のマスコミ対策
9)世界で商品として通用する機器に関するアドバイス
以上、既往文献調査及びヒアリング等により得た情報を参考にして作成したイギリスにおける油流出事故対応の流れを図3-1-4に示した。
