1. 事業の概要
1.1 事業の目的
平成9年1月2日に、日本海で発生したロシアタンカー「ナホトカ号」からの大量油流出事故の対応で明らかなように、外洋域における油流出事故対策は難しい面も多く、以前にまして早急な対応が重要視されてきている。
大量の油が流出した場合の対策としては、海上保安庁、海上災害防止センター、石油連盟等がそれぞれ、油回収拾、オイルフェンス等の油防除資機材を配置しているが、いずれも平穏な海域での適用を念頭におくものが多い。従って現在の体制では、冬場の日本海等の厳しい自然条件下においては流出油の回収は困難であり、流出油の沿岸漂着によって被害が環境問題や水産資源への影響など、社会問題を引き起こすことが考えられる。
油の大量消費国であり、近海を多くのタンカーが航行する我が国が、油流出事故の対策について積極的に取り組み、根本的な対策を打ち出すことは、地球環境保全の観点からも、また、国際貢献の観点からも石油依存度が高い我が国の責務でもある。
以上のことから、外洋等の荒れた海域でも速やかに油回収処理ができるような最適防除資機材及びそれらの運用システムを策定するための調査研究を実施するものである。
1.2 事業の実施内容
1.2.1 委員会の開催
(1)委員会
開催日及び主な審議内容
○第1回 平成9年6月30日(月)
・平成9年度事業計画
・平成9年度事業実施計画(案)
○第2回 平成9年9月24日(水)
・国際専門家会議報告
・「外洋における油流出事故対策の調査研究」経過報告
○第3回 平成9年12月16日(火)
・「外洋における油流出事故対策の調査研究」経過報告
・海外出張報告
○第4回 平成9年6月30日(月)
・「外洋における油流出事故対策の調査研究」事業報告書