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トランスレック・システムの概要

トランスレック・システムは、油回収船の油圧動力源によって駆動され、操作は電動油圧式のシステムである。

トランスレック・システムは、主に下記部品から構成されている。

・ 曳引装置と短距離低速移動用に降下させることのできる油圧駆動の車輪の付いた下部床板。

・ ドラム及び制御盤を備えた回転式上部基板。

・ 径150mmの移送用ホースと油圧ホースを備えたフローティング・ホース及び回収機能の制御・操作用電気ケーブル。

・ ポンプ付き回収ヘッド

・ 回収作業中に池水分離解乳化剤を連続的に注入するエマルジョン・ブレーカー・システム。

・ トランスレック・システムは制御盤によって、又は船橋からの無線遠隔制御によって操作が可能。

・ 船間距離が増減する場合、移送作業中にホースの自動繰出し・巻込みを行う張力調節システム。

フラモ・NOFO・トランスレック・システムは有義波高4.0mまでの波のある海上で作業するように設計されており、55mの水柱、粘度1,500cStに対する最大回収量は300m3/時である。

このシステムは一人で操作可能である。トランスレック・システムの設置目的は二つある。

1 オイルフェンス・システムからの油回収。

2 別の船又は海岸のタンクヘの回収油の移送。

トランスレック・システムの開発中及び開発後、海上の海象状態に適したオイルフェンスが開発・選定された。何度ものテストを経て、NOFOの規定に適合するように改良された現行のオイルフエンスが選ばれた。このオイルフェンスの主要部は、深さl15mで、直径1.3mの浮体である。1本のオイルフェンスの長さは400mである。

 

作業の依頼・命令

NOFOの加入者は誰でも緊急時に全組織の動員令を発動する権限を持っている。緊急防災組織の一部として、NOFOには常時要員が待機している警報センターがある。作業命令ができる限り速やかに書面で確認されるとの条件で、NOFOの要員資機材は電話により発動できる。

 

指令の流れ

ノルウェーの法律では、油流出発生時に行動をとる責任は汚染者にある。つまり、万一NOFOの加入者が油流出事故を起こした場合には、NOFOの資機材をその処理のために使い、その加入者は油を回収するか又は環境に対する被害を最小限に抑止するための全責任を負うことになる。汚染者がこの事項に十分に従わないときは政府が作業の指揮を執る、とする規定が法律で定められている。

 

第三者の起こした事故に関わる一部の石油会社の基金による油流出対応機関の手続き

ノルウェーの法律では、重大な汚染を引き起こす可能性のある事業経営者は、汚染の影響防止及び抑止のため必要な緊急対応準備を講じておかなければならない。同じくノルウェーの法律では、重大な汚染被害の危険がある場合、誰でもあるいはどんな組織でも事故に対応するための資機材あるいは要員を備えておかなければならない。つまり、NOFOは、商業組織ではないのだが、第三者が引き起こした油流出事故の浄化作業を支

 

 

 

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