これらは、プレス(マスコミ)チーム、環境グループ、財務グループによって支援される。
E. 荒れた海洋での浄化作業:作業方針、戦略、使用機器
1.1 風力6以上の海洋での機械的回収作業は効率が悪く、デッキで作業する人員にとっても危険である。空中散布を継続することはできるが、油滴が吹き飛ばされているか、油との接触が良好でないかについての判断を下す必要がある。ポイントは、海洋が非常に荒れている場合には、自然が分散処理剤の役割を果たし、人手によるそれ以上の支援手段が必要でないということである。1993年のブレア号事故は、対応時間の大半において嵐が吹き荒れた例である。そのため一切海上作業ができず、空中散布がごく初期に試みられただけで結局天候が原因で中止されてしまった。油は、自然に水中に分散されて、海岸にはまったく漂着しなかった。
1.2 英国は長い海岸線を持ち、天候条件に恵まれないから、大型船に多大な投資をすることはコスト面で効果的ではないと思われる。機械的回収は1年の70%以上実施できないと推定される。オイルフェンスによる油の機械的回収には常に限界があり、3〜4kt以上及び風力5以上の場合は役に立たない。
1.3 分散処理剤に向かない重燃料油については常に大きな問題がある。しかし、より高粘度の油に対して従来以上に効果的であるとされる新しい分散処理剤が開発されつつあり、英国はその効果をチェックするために北海で1997年9月に実地試験を行なう予定である。
討論
トーンショフ : かなりの量の油濁対応資機材を備蓄されているようですが、平時の業務についてはどのような資金手当てがなされているのでしょうか。政府から資金が出ているのでしょうか、それとも民間からの寄付等があるのでしょうか。
ゲインズフォード: 明らかに油濁対応態勢というのは、中央政府、地方自治体、民間業界の協力で成り立っています。中央政府は備蓄のための予算がついていますが、それで全てがカバーされるというわけにはいきません。よって、シー・エンプレス号のような大規模な油流出事故の場合には、我々の資機材を使って、民間の請負業者に大幅に委託します。それから、石油業界もいろいろバックアップのサポートをしてくれています。人員の派遣、特にビーチマスターといったような人達が動員されて、資機材も提供してくれました。1,200tもの分散処理剤を備蓄してしていますので、これはかなりの量ですが、それだけではなく、300tの業界の備蓄もあります。したがって、常に官民の協力態勢でやっているということです。
トーンショフ: 13人ぐらいのスタッフということでしたが、対応要員はどこから連れて来るのでしょうか。彼等には特別な訓練が英国では要求されているのでしょうか。
ゲインズフォード: いわゆるメインチーム、中核となる人員については小さくしています。13人の中には3人の科学者、3人の船乗り、6人の行政官と私がいます。できるだけ中央集中型にして、海岸線のどこでも機動的に動けるようにおります。一方、英国沿岸警備隊は反対のポリシーで、海岸線上に展開して、それぞれの緊急センターから事故現場に出動するようにしているのです。しかし我々は集中型です。そして、基本的には我々はいわば助っ人ということで、どんな事故でも、その管理法や技術的ノウハウを提供します。必要な場合には地方自治体の協力を求めて海岸