線を浄化し、前に述べたような資機材で業界のサポートもいただいています。それから、請負業者にも委託して、船、あるいは飛行機の運行等も行っています。そういった訓練を我々が監督するということです。
トーンショフ: 米国では油流出緊急防災計画の意思決定において流出責任者が重要な役割を果たします。そして、実際の対応作業に対しても流出責任者が支払いの責任を持ちます。これは英国の流出対応とどう違うのでしょうか。独自の資源を使われるのでしょうか。
ゲインズフォード: 米国以外はIOPC基金が適用されますので、責任を立証する必要はないと理解しています。流出がタンカーから起きた場合には、すぐにIOPC基金を通じて請求し、取り戻すことができます。その額は最近増えてきております。ただ、その手続きは非常に複雑で、地方自治体の私の友人も言っていたように、簡単とは程遠いものです。重要な点としては、行動と支出に関して包括的な記録を維持しておくということです。そうでないと、何カ月も後では実際問題として全ての費用を取り戻すことが困難になります。
67年のトリー・キャニオン号の場合までは、船主が自分で浄化するべきであるという立場を取っていましたが、トリー・キャニオン号以後はこれが実行可能ではなく、国家が責任を担わざるを得ないということになりました。船主は浄化の役割を分担しますが、我々の全体的な管理システムの中に取り込まれます。オイルリグの場合は別で、石油会社の役割はより大きくなっています。彼等はその対応ができるという前提で営業許可が与えられているからです。もし彼等が対応ができないということならば、さかのぼって流出対応計画に対する我々のチェックが甘かったということになります。