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この15の地域に対する財政政策が次の三つです。1番目が中央政府からの補助金です。2番目が固定資産税、土地、建物、その設備に対する固定資産税の減免です。3番目は地方政府の発行する債権、地方債の条件の緩和です。

2番目の投資政策は次の三つです。1番目は工業用地の開発です。2番目は、道路と港湾と鉄道の改良です。ここで気をつける必要があるのは、我が国の新産業都市計画は、交通の改良と工業開発だけでなく、そのほかにいろいろな開発、3番目の開発が含まれています。それは住宅地開発、家づくりです。それから水道の開発、下水道開発、教育施設、福祉施設、そして公園です。工業開発は、いわゆる重化学工業に焦点を当てました。それらは化学工業であり、鉄鋼業であり、金属産業そして機械です。この赤くつけたのが港湾です。ここにはありませんが、ほとんどすべての新産業都市には港湾が同時に計画されています。

次に、工業整備特別地域です。新産業都市と比較すると大きな違いがあります。それは、今までの産業とか資本が既に集中していた太平洋ベルト地帯に開発が計画されたことです。鹿島から始まって順番に六つの都市が並んでいます。この緑で囲ったのが太平洋ベルト地帯と言われているところです。ここは昔から多くの産業が開発されていました。黄色はそれまでにあった四つの大都市です。東京、名古屋、大阪、北九州です。ここに沿った六つの計画は、この一つを除いてすべて成功しました。この結果として、鉄鋼業、自動車産業、化学工業が急速に発展しました。この二つの政策を比較してみます。

最大の違いは場所の違いです。新産業都市は、均衡ある日本の開発に大きく貢献しました。しかし、非常に大きなお金の投資を必要としました。それは貨物の輸送のためです。工業整備特別地域は、国の予算ははるかに少ないお金で開発されました。ヴィエトナムには多くの外国の産業が来ていますが、外国の産業は、中国も含めて、ヴィエトナム、タイ、マレーシアといったASEAN各国の中で、どこが最も効率的かという所に投資を行います。

そこで私は、この二つを比較すると、ヴィエトナムにとってはこちら(工業整備特別地域開発)のほうが良いような気がします。しかし、この工業整備特別地域は、その10年後に多くの環境問題を発生しました。これは産業の集中と人口の集中によるものです。

この二つの産業開発計画を支えたのが、この全国総合開発計画です。その目的はもちろん第1に、工業開発のサポートです。このとき既に集まっていた大都市の人口の分散というのが第2の目的です。自然資源の効率的な使用について日本ではほとんど自然資源はありません。日本にあるのは、水と人間だけです。4番目は資本と労働力、技術の空間的な配置です。

開発政策としてはこの三つがありました。最初はもちろん、二つの工業基地の開発

 

 

 

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