設費がたくさんかかって、交通量はあまり期待できないということで、財務分析的に非常に問題のある路線が今後多くなることを示しています。
道路公団の事業資金の内訳を図-2で説明しておきます。基本的には、借金をして道路をつくり、料金収入でその借金を返す仕組みです。ただ、現在、建設する箇所をたくさん抱えていますから、どんどん借金をして建設しなければいけません。将来、建設がある程度進んだ段階ではもう借金する必要はなくなり、料金収入はどんどんふえることによって、その借金の返済をしていくことになります。
ところで、この道路公団のお金、どこからくるのかと言えば、これは国民が郵便局に郵便貯金として頂けたお金、簡易保険として預けたお金が道路公団の事業資金となっています。道路をつくることによって日本の経済が発展し、人々の所得がふえてきました。所得がふえれば、その所得の一定部分が貯蓄として銀行とか国に預けられますが、その貯蓄を利用してまた道路ができる、それによって経済が発展するということで、お金が好循環、よいサイクルで回ってきたと言っていいかと思います。道路公団は、公的な団体であり、政府が保証して借金ができるということで、非常に安い金利で資金が調達できる仕組みを持っています。最近、途上国でBOT方式という、民間に交通のインフラをつくってもらって、何年間か運用した後で政府に返してもらう方式が普及していますが、民間が市場から資金を調達するより、公的な団体が調達したほうが金利が安くなります。
次に、どのように料金を決めるのかという料金の決め方を説明します。建設にかかった費用、管理にかかった費用、それから、お金がどうしても先に建設ということでかかって、借金になりますから、利息がかかります。道路公団の場合、利益を上げる必要はありませんから、これらの支出を料金収入がちょうど支出に見合うような形で料金を設定することになります。
ここに国費利息軽減分というのがありますが、これは例外的な措置で、交通量の少ないと考えられる横断道に対して、交通量が少ないから経営が非常に難しい、そういう路線に対しては利子をおまけしてやろうと、利息を減らすために国から直接お金を入れて助けています。過去の平均的な金利は、5%です。3%に利子をまけるということですから、2%分だけ国の金で助けることになります。ただし、最近、日本も金利が非常に安くなっていまして、今お金を借りると2%でも借りられますから、3%に利子を下げるために国費を補助するという制度は、新しくつくるところでは、今のところ必要ありません。ですから、ここは無視して、この料金と3つの建設、維持管理、利息が合うように、これを40年かけて借金がちょうど返せるように計算します。もっとも40年間ですから、交通量がどういうふうに伸びるか、あるいは金利が今後どうなっていくか、多少不確実性は残っています。
もう一つ説明しておかなければいけないのは、このようにして料金を定めますが、