は批判するかもしれません。私はそんなに道路を使わないから税金で道路を使うのは不公平ではないかという意見が国民から出てくるかもしれません。ですから、道路利用者にとっても、道路をあまり利用しない人にとっても、これらの制度は非常に安心のできる制度です。自分の払った税金がちゃんと道路に使われるという意味で、道路利用者にとっても心配がないし、道路をあまり利用しない人が払った税金が道路に使われないという意味で、道路を使わない人にとっても心配がない制度ということになります。
では、実際に有料道路がどのような組織によってつくられているのかをお話します。有料道路、いくつかの種類がありますが、高速道路、一般有料道路、都市高速道路、本州四国連絡道路というのがあります。図-1を示したほうがわかりやすいかと思いますが、説明の中心になる高速道路は、日本国の中、都市間を結ぶために計画されている道路です。現在供用されている利用可能な道路は、6,114キロあります。これから建設しようとする高速道路と、全体あわせて1万1,500キロあります。
最初に道路の種類を説明してしまいますと、高速道路、そのほかに高速道路の枝線のような形で一般有料道路というのがありますし、あと、東京、大阪、名古屋等には、都市内の高速道路があります。あと、本州と四国をつなぐ道路として、3本の橋が今建設されておりますが、それが本州四国連絡道路です。道路の種類が違いますから、その種類に応じて建設するための組織がつくられています。高速道路をつくっているのは道路公団、都市高速道路などは東京、大阪、名古屋等にそれぞれ公団をつくっていますし、地方の枝線となる高速道路は、それぞれ地方の公社が建設を行っています。
高速道路について、1万1,000キロの計画があると述べましたが、これまでの建設の経緯を少し振り返ってみます。実は、1万1,000キロの計画、10年ほど前までは7,600キロの計画を持っていました。7,600キロの計画は、すべての市町村から2時間で高速道路に到達できるということを目標につくられたネットワークです。1987年に人々の生活水準が上がり、時間価値も高まったということで、新たにすべての市町村から1時間で高速道路にアクセスできることを目標に、7,600キロが1万1,000キロにふやされました。その計画に基づき、順次建設を進めているわけですが、最初に名古屋と大阪の間、名神高速道路が1965年、30年前に開通しています。この道路の建設にあっては、世界銀行からお金を借りて建設を行っています。順次、開通延長が延びていますが、日本の背骨部分、縦貫と呼んで、縦につなぐ部分は、南の端から北までつながっています。今、建設が盛んに行われているのは、日本列島を横断する路線です。日本列島は山の多い国ですから、橋とトンネルが多くなり、建設費が高くなっています。
もう一つの問題は、交通量の多いこの縦の軸に比べ、横に横断する道路は交通量がそれほど多くなく、縦に比べて横は交通量が多くないということです。ですから、建