の道路整備では、この1番の費用便益比を用いる方法が普及しています。トータルの費用と便益を比較して、それが1.5を超えるものを採択する最低条件としようということで、評価が行われています。
財務評価の基準、いろいろつくれますが、ここでは収支率を紹介します。
道路公団では、100円の売り上げを上げるために一体幾らの経費がかかるのかを、この計算式で求めています。日本の高速道路の場合は、収支率57%です。100円の売り上げを上げるために、高速道路の場合の原価は、実際にかかる維持管理費等になってきますが、あと大きいものは建設費の利息の支払いがあります。これが費用です。100円の利益に対して57円の経費がかかっていることになります。
このような準備をして、日本の道路整備の制度についての本題に入っていきます。日本の道路整備は、 2つの制度に支えられています。1つは道路特定財源制度で、他の1つは有料道路制度です。ともに受益者負担の原則にのっとってつくられた制度です。道路特定財源制度は、ガソリン、軽油、LPG(プロパンガス)等の燃料に対して一定の比率で税金をかけようという制度で、その収入がすべて道路の整備に回るという意味で特定財源、利用が特定化された財源の制度です。例えば、ガソリンは、1リットル53円の税金がかかっています。市場価格は1リットル100円程度になります。ちなみに、今、日本円は1ドル=130円です。
一方、有料道路制度は、この道路特定財源制度では財源が不足するので、それに加えて定められた制度です。都市間を結ぶ高速道路の場合を想像していただければわかりますが、インターチェンジをつくり、料金を払った人だけ道路サービスを利用できるという形で、排除可能という言葉を使いますが、利用者に料金を負担してもらうことが可能な道路に関しては、追加的に料金を出してもらおうという考え方です。高速道路の場合は、1キロ当たり25円の料金を徴収していますが、この料金収入が担保になり、建設費を借金で賄うことが可能となります。受益者負担の原則は、効率で公平な社会資本の整備ができると言われますが、その理由を説明します。
効率という言葉はむだがないということですが、人々が道路を利用し、車を利用して輸送したり動いたりするのが便利で、自動車を利用すれば、ガソリンをたくさん消費しますし、財源がたくさん生まれます。それによって道路をより作っていく。逆に、人々がほかの交通手段が便利であるということで道路の利用が減ってくれば、ガソリンの消費量が減って、収入が減る。ですから、建設のスピードを少し緩めてもいいということで、自動的に調節できる市場メカニズムのような仕組みがあるということが効率性の意味です。
公平性の意味は、道路を使う人が道路の費用を負担する、すべきであるという考え方です。所得税や酒税とか、それ以外の税金で税金を道路整備に回したときに、国民