マウア埠頭の再開発は、リオ港の再開発計画の中では一番最初にめでたく契約となったプロジェクトです。ちょうど私がリオを発つ11月6日に契約が行われました。
マウア埠頭プロジェクトの基本概念については、私がこちらに持ってまいりましたパンフレットを見ていただければ書いてあります。しかし、契約成立から3カ月ぐらいをかけて計画の細部を詰めていくことになるので、細部については変更になる可能性もあります。契約期間は45年です。ここではその細部については余りお話しできませんので、1月末までに提出することになっている最終レポートの中で詳しい情報が提供できると思います。
ブラジルの経済を世界の貿易とつなげていく将来計画のための重要な要素は、何と言ってもセペティバ港です。現在船が各港に入らないといけない状況を是正して、一つのハブ港を使えるようにしたい。最近アメリカのベクトルという調査会社の調査が終わりました。その調査結果から、陸上からのアクセス、水上からのアクセス、市場の規模、これからの成長の可能性(環境に及ぼす影響の点で、ブラジル国内のほかの港に比べてセペティバ港が一番適しているという結果が出ました。今後10年、20年かけて建設できるハブ港は一つだと思います。それはやはリセペティバ港です。
(日本とブラジルとのウォーターフロント開発の比較)
共同研究が終わりに近づいていますが、ここまで来てブラジルと日本のプロジェクトの比較によってたどり着いた幾つかの基本的な概念についてお話ししたいと思います。ブラジルのウォーターフロント開発は、リオのプロジェクトを皮切りに、まだ始まったばかりです。ウォーターフロント開発の中で行われるいろいろな活動について若干考察したいと思います。
まず、ここにありますのが大阪の水族館に隣接しているスポットです。マウア埠頭の開発はまだ第一段階が始まったばかりです。訪れました東京港も埋め立てが始まったばかりのところがあります。コンテナ・ターミナルについても、踏み込んだ比較をしてみたいと考えます。セペティバ港と東京港、横浜港、神戸港には何らかの共通点があると思われます。1月に提出する最終レポートには、その辺も詳しくご説明したいと思います。
それでは、ここで、港湾開発、ウォーターフロント開発の、ブラジルと日本の違いを述べたいと思います。まず開発のプライオリティーですが、ブラジルでは国家経済を底上げしていくために開発を行います。それに対して日本は、国際貿易を成功するために経済の活性化が手段になっているように思います。開発の中でキーとなっているのは、ブラジルでは安定経済です。経済が安定することによって国内の諸々が大きく変わっていきます。94年に導入されたレアル(新しい通貨)計画によって安定経済が実現してきました。もう一つは、95年から始まっているブラジル・イン・アクションにより国際貿易に対する障壁を取り除こうとしています。共同研究の問いろいろな人にインタビューしてお話を伺いますと、日本の経済の将来について皆さん心配しているようですが、日本の開発のキーは、国際貿易のために経済を再活性化して強い安定した経済を実現することが一つ。また、日本ではパブリック・セクター、プライベート・セクターともに強力ですので、強い官、強い民が将来に向けて強い力になると思います。開発の成功の鍵を握っているのは、ブラジルでは、港湾近代化計画、REVAP(港湾及びウォーターフロント地区の再開発)、デエスタピラデーションと呼ばれる港湾プログラムです。日本は、第1番目は港湾システムの刷新(ゲートウエー・ポート)です。