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これがリオ市のダウンタウンの図です。ここには港湾エリアも含まれていますし、都市再開発がかかっている100haの地区も含まれています。一番最初のプレゼンテーションの席でリオ港プロジェクトについてお話ししましたが、私が今持っていますのは、そのパンフレットです。詳しい情報をお知りになりたい方は、ぜひこれを見てください。

基本的なデータについて、かいつまんでお話しします。ウォーターフロント開発が進んでいるのは延長3.5kmに及ぶガンボア埠頭です。この長さは有名なコパカバーナ・ビーチと同じです。再開発がかかるのは100haです。この中にはリオ港のバックヤード・エリアに当たる3つの独立区も含まれます。この計画は生活水準の向上とリオ市の誇りを取り戻すいい機会だと思います。恐らく皆様方にはわからないかもしれませんが、過去40年、リオ市は難しい時代に入っていました。というのは、国の政策の中心、投資の中心がリオからブラジリアの方に移ってしまいまして、リオの経済は非常に難しい時代でした。そのロスを埋め合わせるための財政的な援助が国からは受けられませんでした。しかし、今回の視察で神戸を見させていただきまして、見習いたいと思いました。その難しい時代の間、観光客の数も減り、リオ人はもともとハッピーな人たち、ホスピタリティー豊かな人たちであると知られていますが、そのリオっ子のプライドが傷ついてしまっていた。今回のプロジェクトを機会に、プライドを取り戻したいわけです。そういう難しい時代を経てきたにもかかわらず、リオデジャネイロはブラジルの文化の中心地であり続けてきました。その証拠に、世界中どこに参りましても、ブラジルと言えばリオの話が出る。リオの話をすればブラジルの話が出る。リオと言えばサンバ、サンバと言えばカーニバル、カーニバルと言えばフットボール、そしてリオと言えばブラジルというふうに皆さん考えていらっしゃるのではないでしょうか。

リオ埠頭公社で考えている主なガイドラインは、第1点はセペティバ港をハブポートにすることです。第2点はリオ港の刷新です。第3点は、その刷新の裏側で、古い港湾地区の再開発計画、ウォーターフロント開発計画です。しかし、リオ埠頭公社はリオ市に属しているわけではありません。ブラジル国家の機関です。目標は、ブラジルの国家戦略の実施です。

港湾の近代化、港湾地区の再開発のための方法は、1993年に導入された港湾近代化法です。近代化のプロセスは、民間のパートナーシップ(プライベート・パートナーシップ)を採用しています。港湾と民間会社が手を携えて実施していきます。プライベート・パートナーシップでやるといいましても、何も港湾の財産を民間に委譲するわけではありません。単に港湾エリアをリースする形です。リースすることによって民間会社とともに開発していく形です。これは国際的にはランドロード・モデルという言い方で知られています。民間会社にリースする、あるいは民間会社にリースしなくても、常にビジネスの機会を与えるということで、港湾地区の運営は民間会社に任されます。

リオ州の開発、リオ港の開発には3つの方向性があります。この写真を見ていただきたいのですが、上がセペティバ港です。現在、埋め立て工事、土木工事が始まったところで、来年には新しいコンテナ・ターミナルができて、民間によって運営されることになっています。下がリオ港です。RORO船のターミナルを移動させることによりまして、コンテナ・ターミナルをよりよい条件で使えるようにします。再開発計画のかかっている地域は、都市機能を港湾に近づけます。上の小さい写真は、マウア埠頭の再開発のイメージ図です。

 

 

 

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