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若干、基本的な経済データについて触れます。ブラジル経済は、その経済規模で世界第8番目です。国土面積では世界第6番目です。フルーツやサトウキビの生産では世界一を誇っています。大豆と牛肉の生産では世界第2位です。自動車の生産では第9位です。GDPは1997年度には8,000億ドルに達すると見込まれています。加えて、ブラジルはホスピタリティー豊かな国です。経済も将来有望な安定経済として世界に知られています。ブラジルには国境紛争もありませんし、宗教的な紛争、民族間の紛争もありません。極右、極左もありませんのでテロリズムもありません。分離派もいません。インフレ率は1,000%です。1,000%でもかなり高い数値ですが、こういう高いインフレ率であったものが過去3年間の努力で随分下がってきています。1997年度は5%まで下げることができました。

将来については、香港、ニューヨークなど難しい状況があるところもありますが、ブラジルは、今行っている経済政策をモデルとして、今後も続けていきたいと思っています。ブラジルは発展途上経済から脱皮しようとしています。それにより貧困層を減らし、民営化プログラムを実施し、教育や福祉に投資を増やしていきたいと思います。私たちは、将来起こってくるであろう問題に対処するために、インフラストラクチャーの強化に努めています。ブラジル・イン・アクションと呼ばれている国家計画があります。これがシンボルマークです。この国家計画により、今42の主要プロジェクトが進行中です。その42のプロジェクトの中にリオデジャネイロ州で進行しているテレポート・プロジェクトとセペティバ・ハブポート・プロジェクトがあります。経済が国際化する新しい時代の到来を考えると、港湾の近代化とウォーターフロント開発のプロジェクトは、これから先ブラジル人の生活にとって新しい鍵になると思います。

(リオデジャネイロ港及びセペティバ港の開発プロジェクト)

私がこの共同研究プログラムに参加させていただいて研究している範囲は非常に広いので、ここでは焦点をリオデジャネイロ市において港湾地区の再開発をどうしていくかという点に絞りたいと思います。

1993年に8630号という法律を施行しました。この法律により港湾の機能していない地区を貸し出すことになりました。その理由は、港湾地区の老朽化と、都市スペースの需要の増大です。老朽化した港湾地域は生産性も低く、経済的にも機能していない地域ですので、ここをどうにかしようということで、国家レベルのプログラムでリバップ(REVAP)と呼ばれているプログラムが導入されています。このプログラムにより、ブラジル全土の港湾を再開発していくことになっています。REVAPについては後で触れます。

私どもは今、リオ港プログラムを進行中です。これはリオ市とリオ港を結びつけて、リオを21世紀のブラジルの開発のショールームにしていこうというものです。港湾近代化法に基づいて、リオ市では多くのターミナルを民間会社にリースしようとしています。現在、港湾のターミナルや機能していない地区を民間管理に移行する計画が34進んでいます。1998年末までには港湾地域の97%が民間のマネジメント下に入ることになります。セペティバ港では100%、リオ港では92%、そのほかの小規模な港では100%民間の管理下に入ると思います。2020年までの主要な目標は、リオ港とセペティバ港で700万TEUの輸送、ウォーターフロント開発のプログラムではリオ市の100haの地区の開発があります。

 

 

 

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