しかし、港湾周辺地域を合わせた全体を見ると十分ハブになります。詳しくは資料を見ていただければ書いてありますが、アメリカのベルト・インターナショナル・カンパニーという会社の調査報告で、この会社はシンガポールやパナマ運河などの研究を手がけてきた会社ですが、今はセペティバ港に関して詳細な調査を行っており、セペティバ港の開発がブラジルの経済にどういう影響を及ぼすかという調査をしている会社です。(質問)
先ほど民営化の話で、道路や港湾などいろいろなセクションでということを聞きましたが、どうも先ほど聞いていると、リオ港の民営化した後の出資者は連邦政府ということだったようです。ピュアなプライベート・カンパニーはどれだけ投資しているのか。道路は日本でも公団あるいは道路公社が提供していて、形の上では半分民営化のような形になっています。そういうのと同じようなものなのかなと思うのですが、どうでしょうか。出資割合、資本金がどれだけ出ているかということです。
(シャビエル氏)
官民の出資割合は日々変わるのでお答えするのは難しいですが、例えばリオの港湾部分だけを見ますと、全体の投資を100%とすると、官4割、民6割です。4割の官からの投資は、港湾インフラに関しての投資ばかりです。例えば淡漢、岸壁、ヤードなどの関係の上木工事や、鉄道の線路を引き込むようなベーシックな支援工事については官が受け持ちます。クレーン、照明器具、その他諸々の設備関係は民間の投資になります。ただし、セペティバ港のターミナルについては、既に専用ターミナルが3つできていますが、専用ターミナルについてはインフラ部分から民間の会社が投資をしてやっています。その会社はドイツのティーセン・アンド・クループという製鉄会社が1億ドルほど投資をしてインフラから開発しています。
(質問)
私が聞いているのはインベストメント(出資)ではなしにファンド(基金)を聞きたい。インベストメントに関しては航路や運河は公共で、鉄道などは民間だというふうに言っていたのではないですか。違いますか。そうしないと60%にならない。
(シャビエル氏)
基本的に投資を政府だけで賄うほどの財源がありません。港の開発を全部公共の投資でやろうとすると、それを回収するためにはものすごく高い関税を設定しなければいけないことになってしまうので、それはできません。関税を低くすると自力で投資を回収するのは無理になってしまいます。政府の立場としては、港湾から投資を十分に回収できるほどの上がりがなくてもいい。港湾を含めた周辺エリア全体が活性化すれば、そこから税収が入るからいいという立場が公共です。実際港湾を開発するために必要なお金はどこから来るかとなると、民間会社から補足してもらいます。民間会社の方は、最新技術レベルの施設をつけたり、あるいは物流の拠点としてうまく機能するために、産地との結びつきという意味で道路や鉄道に投資したりします。セペティバ港の例を取りますと、政府でセペティバ港に投資はしていますが、鉄道あるいは荷役機械などを入れるのは民間の投資になります。