(シャビエル氏)
最初の質問ですが、今リオでやっている事業に関して、連邦政府と州政府とリオ埠頭公社とは非常にうまい連携関係ができています。リオ港はもともと連邦のもので、99%を連邦政府がコントロールしていました。リオ州は連邦から特別な財源支援を受けています。セペティバ港に関しては、98年までに実行するプロジェクトのために国立銀行からローンで2億5,000万ドルを借りています。リオデジャネイロ港については、連邦の方で、これからのブラジルの港湾の近代化のモデル港になるようにという指定をされています。セペテイバ港では既にターミナルすべてが民営化されています。リオデジャネイロ港については、来年の半ばまでには92%が民営化される予定です。リオ州の港湾と連邦との現在の関係は、基本的な戦略を連邦がつくる点においてだけつながっています。
2番目のご質問ですが、港湾の投資、開発、再開発、いずれにもリース方式が使われています。リオデジャネイロのモデルはニュージャージー州のニューヨーク港です。ニューヨーク港では、現在、港湾活動以外の部分から収入の97%を得ています。近代化に関する法律あるいは民営化に関する法律は、港湾機能の部分だけではなく、港湾機能以外の部分についても同じ法が適用されます。
(質問)
コンパニーアドッカス・ド・リオデジャネイロ(リオ埠頭公社)は出資母体はどこです
か。
(シャビエル氏)
リオ埠頭公社自体は連邦政府が所有している会社です。州政府とは契約を交わす形で参加をしています。ブラジルの港湾開発はそれぞれの地域の問題であるという基本姿勢があります。しかし、リオに関しては、国の経済的、社会的な中心地であるということで、その開発の効果もリオデジャネイロだけではなく、そのほかの地域に広く及んでいくものであるという視点から連邦が参加する形にしています。もちろんリオデジャネイロ市もパートナーとして参加しています。私の考えでは、このプロジェクトの成否を握っているのは連邦とのリンクであると考えています。というのは、リオ市の市長はちょっと難しい人物で、連邦との連携が大切だと思います。これから横浜、東京、大阪を訪ねるわけですが、そちらの市長さんたちとどのようにうまくやっていらっしゃるかを知りたい。ブラジルでは市長とうまくやるのはかなり難しくて、今回の機会をうまく使ってその辺のコツを学ばせていただけたらと思います。
(質問)
土地をリオ埠頭公社が持っていて、民間会社にリースをして、その収入で新しい投資などを行っているのですか。
(シャビエル氏)
私どもは港湾開発、再開発ともに民間のパートナーを求めています。専用のターミナルが幾つか既に操業しており、マウア埠頭のプロジェクトには民間のパートナーが参加してくれており、投資もしてくれています。リース契約は50年間の契約です。その間、固定の支払いをすることによってリースの幾分かを得る形になっています。
(質問)
日本も戦後の高度成長のときは重厚産業を中心にした港湾開発で伸びてきたと思いますが、ブラジルも長いこと2桁の経済成長を続けていて、大変大きな国ですから、いずれ10年もすれば日本は抜かれるのではないかと思いますが、一体何が牽引役になっていて、港湾は経済成長にどのような役割を果たしているのか教えていただければと思います。