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この地方では唯一大型船の停泊が可能な水深があり、港湾の区域内も貨物の効率的取り扱いが可能になっています。また、バックヤードエリアも面積は1,000万m2と非常に広くなっています。港湾エリアの面積が広くて、都心から離れていることもあり、環境面の影響も最小限に抑えられると思います。

(リオデジャネイロ港の概要と再開発計画)

次に、リオデジャネイロ港のお話をさせていただきます。これがリオデジャネイロ港の写真ですが、リオデジャネイロ港の岸壁の総延長は7.5kmです。今リオの港では貨物取扱部門の移動が行われており、以前は旧港であるガンボア地域にあったものを、これから将来に向けて開発していく新しい地域サンクリストルボンとカジエに移しています。古い地域の半分は再開発計画にかかっているところですが、旧港から新しい港湾に貨物取扱の機能を移すことにより、10年も立たないうちに取扱量を倍増できると考えています。旧港のガンボア地区の沿岸の総延長3.5km(コパカバーナビーチと同じ長さ)が再開発される形になり、市の中心地にウォーターフロントが近づいていく形になります。ガンボア地区の港湾の後ろにある地域(面積100万km2の広大な地域)が再開発可能な地域になっています。まさに眠れる宝と言っていい地域だと思います。これから巨大な経済的、文化的、観光的価値を持つ地域に生まれ変わります。

こちらにお持ちしたのが私がリオを出ますその日に出たパンフレットですが、リオデジャネイロ港の再開発プロジェクトの今までの経緯や、一番最初に開発されるマウア埠頭地区のことや、この区域内にどのような歴史的な建造物があるか、有名なことを諸々書いてあります。これを読んでいただければ日本の港湾の再開発との比較において参考になるのではないかと思います。パンフレットに書いてあるとおり、コンソーシアム(資本共同・体)を形成する形でプロジェクトを進めています。コンソーシアムには、この地域の不動産のオーナーの方々が参加する形になっています。この地域の一番大きな不動産のオーナーは誰かといいますと、私どもの埠頭公社であり、対象地域100万km2のうち約半分の50万km2(水際とバークヤードも含めて)の所有者です。その他大きな企業にコンソーシアムに参加しないかと呼びかけています。地元住民と関係諸公共機関等々が参加する大きな審議会があり、このプロジェクトに絡んでいます。政府の方で不動産ファンド(リアル・エステート・ファンド)という基金をつくることを承認していただき、そちらから各プロジェクトに支援が出る形になっています。また、コンサルティングを主に担当する専門のエージェンシーも設立されています。

リオデジャネイロ市は特殊な発達の仕方をしています。ご覧のように山をめぐるような形で市が開発されています。リオブランコ通りという大きな通りがあり、街の中心を貫く形になっています。リオブランコ通りは、真っすぐピアマウア埠頭まで延びています。1960年代ごろまでに数々の大きなプロジェクトが行われ(地図右側)、急速に開発が進みました。今されようとしているのは、小さい四角で囲ったあたりに3つの区があるのですが、そちらを開発するプロジェクトです。それによりウォーターフロントが人々の生活に近くなるようにしようという試みです。

開発地域は3つのゾーンに分かれています。第1のゾーン(えんじ色の部分)は市街地に一番近いところで、実質上、市街地の延長線上になっている地域です。このゾーンの半分がマウア埠頭開発プロジェクトの対象地です。第2のゾーン(中央の赤い部分)は、住宅を建てたり、商業、レジャー、サービス目的に使われる地域です。

 

 

 

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