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(ブラジルの港湾)

輸送インフラについて若干申し上げます。人口は沿岸部に集中しており、太平洋沿岸の19の港湾のいずれにも商品が容易に入ってくる形になっています。ブラジルの道路網は、これまた世界有数の規模です。沿岸部の重要拠点には水深の深い港湾があります。まず北部には、マラニョン州のイタキ市にあります。北東部には、ペルナンブコ州にスワッペ港があります。南東部には、セペティバとリオデジャネイロの2つがあります。サンパウロにはサンセバスチャン港があります。セペティバ港は私どもの公社が経営している港湾の一つですが、将来ブラジルの主要コンテナハブ港となる条件をすべて満たす唯一の港湾です。今申し上げました19の港湾のうち15港湾を結ぶ鉄道網があります。その鉄道網の多くは状態もよく、大量の貨物輸送にも十分対応できます。また、ブラジルは、空港の数においても世界第3位です。盆地地域の開発にはよい条件がそろっていることも特徴の一つです。例えばパラナ川、パラグアイ川、ティエテ川、ラゴアスドソル、サンフランシスコ川、アマゾン川流域全域というふうに水路網が発達しているのも特徴の一つです。

倉庫組も充実しています。ただし、道路、鉄道、河川及び海上輸送関連の投資がこれからある程度必要になるかと思います。1993年に施行された連邦法第8630号は、ブラジル・コストを引き下げて国際競争力をつけるために行われるブラジル港湾民営化のための法律です。同じ連邦法第8630号は、港湾の業務区域として全く利用されていない港湾エリアの活性化プロジェクトを企画推進していくための法的裏づけともなっています。この法令は港湾の新しい収入源を確保することが目的でした。港湾エリアの再開発の対象地域は非常に広大です。その理由は、まず第1に、荷役システムの変化により港湾設備が時代遅れのものになってしまっている現状、第2に、都市化の圧力が港湾区域にも及ぶようになりビジネス関連の需要がある現在は、こういう区域をモデル・チェンジして新しく港湾として使うのはもはや現実的な選択肢ではなくなりました。この開発はリバップ(REVAP:Revitalization of port areas)と呼ばれて、1993年にできています。この背景には、都市の歴史は港湾及びその周辺地域から始まったので、その区域を再活性化すれば都市自体も活性化できるという認識があります。リバップは、都市部で港湾周辺地域の再評価をしつつ、公の資産を守り、一方で新たな雇用を創出し、新たな効果的収入源を港湾につくり出すものになっています。

これはブラジルの南東地域の地図です。右の地図にリオデジャネイロ港と、それから60キロ離れたセペティバ港が書いてあります。右と左の地図は同じ地図ですが、ご覧のとおり、鉄道網、道路網が発達しているのがおわかりいただけるかと思います。セペティバ港とリオデジャネイロ港のある地域から500キロ内陸に入ると、ブラジルの生産物の生産地の70%にまで行くことができます。そういう位置にあります。民営化は、高速、鉄道、港湾にわたりますが、中でも港湾の民営化はターミナルのリースの形を取っています。現在民営化が進行中です。

(セペティバ港の概要)

次に、セペティバ港についてお話しさせていただきます。セペティバ港は大量の貨物を取り扱えると同時に、メルヨソール地方(南米の南の地域で、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイまで至る地域の名前)のハブ港となり得る南東部唯一の港湾です。ここに挙げたほかのブラジルの港湾と比較して話をさせていただきますと、セペティバ港は喫水20mの船をとめることのできる唯一の港湾です。

 

 

 

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